東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
ぼんちゃんの歯科処置
2017年11月20日 (月) | 編集 |
先日の症例報告です。

もうすぐ14歳になるビーグルのぼんちゃん。

ぼんちゃんは、多頭飼育崩壊でレスキューされたわんちゃんです

当然歯を磨いてきた経験がないので、お口の中には歯石や歯垢がついています。

今日まで飼い主さまが一生懸命ケアーしてくださっていましたが、すでに炎症が起きている口を触られるのは当然犬たちもイヤ。。

臭いも強くなってきたので、一度全身麻酔下でしっかりと処置をすることにしました。

歯科でいつもお世話になっているのは、荻窪ツイン動物病院です。
URLhttp://www.ogikubo-animal.com

今日は私も一緒に歯科処置です。

今日もナッツは一緒 
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ぼんちゃんの名前が呼ばれ診察室に。歯をさっと確認。
やはり口の中は結構歯周病がひど炒め、予定通り歯科処置を行うことに。
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お預かりして血液検査、超音波検査、レントゲン検査をおこなっていきます。
ぼんちゃんは少し前から腎機能がやや悪いため、定期的に点滴治療を行っています。
昨日もしっかり輸液してきました

検査中もお利口なぼんちゃん
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検査結果で大きな異常がないと判断し、麻酔をかけて処置します。

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処置前の歯です。歯石もたまり、歯茎もかなり炎症を起こしています。
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こちらの病院には歯科処置専用ルームがあり、歯科用レントゲンなども備わっているので、迅速に必要な処置を行うことができます。
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見た目はきれいに見える歯でも、根っこがダメになっている歯って意外とたくさんあります。

それを放置すると、しばらくして結局また酷い炎症になり口臭も消えることはありません。

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結局なんと、15本の抜歯になりました

でもピッカピカです!!
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処置時間は約3時間半かかりました。ですが、もちろんしっかりと麻酔をモニターしながら行うのでぼんちゃんは麻酔の目覚めも良くすぐに起き上がりました

こちらの病院ではガラス1枚隔てて飼い主さまが処置の様子を見学いただけます。

ぼんちゃんの飼い主さまもずっと付き添っていてくださいました
ナッツも一緒に(笑)

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今回の処置前後の写真です。
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ぼんちゃんはお家に帰って「ごはんちょうだい!!」と催促したようです
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シニアで腎臓も悪いので念のため翌日往診に伺って採血しましたが、むしろ処置前より数値は改善(笑)

ぼんちゃん!本当に良く頑張ったね!!

これからますます元気に過ごそうね!

しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com

歯が変色!歯髄壊死
2016年12月28日 (水) | 編集 |
まだ1歳のMIXの男の子、ブラッキーくんです。
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岡山県の愛護センターから引き出され、新しいご家族の元へ

去勢手術と同時に一度歯石除去をすることにしました

麻酔をかけてよく見てみると、1本だけ色の異なる歯があります
本来犬の歯は真っ白。でも、1本だけ黄色っぽい
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「歯が死んでいる=歯髄壊死を起こしている」可能性があります

歯はどういった構造になっているかというと、一番外側はかたーーいエナメル質というものに覆われています。
その下は象牙質と言われる構造に。
さらにその下(中央)は歯髄腔と言われる神経や血管が走っている場所です。
(歯髄腔;図の黄色の部分)
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人は虫歯などで歯自体が冒され、神経がむき出しになってしまうとものすごく痛いといいますよね

さてブラッキーくん、全体的には歯石は軽度で歯周病も程度はそこまでひどくないです。
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先ほどの変色した歯、もし歯が本当に死んでいるとしたら、抜歯適応になります

壊死した歯は体にとっては異物なので異物反応などが起きる可能性があるのです

早速レントゲンを撮ってみました。
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どうやら、子犬のころにこの歯は死んでしまったようです

生後間もない歯は、象牙質が薄く、歯の中心にある歯髄腔が大きいという構造的な特徴があります。

成長とともに、狭くなっていくのですが、ブラッキーくんのこの変色した歯は歯髄腔が広いままなので、子犬のころに何らかの原因で歯が死んでしまったことがわかります。
(レントゲン写真で黒く写っているところが歯髄腔)
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歯髄壊死の原因は様々で 、何らかの原因で歯髄に炎症が起こり、循環障害が起き、その結果として歯髄壊死となります。

飼い主さまに説明し、今後のことを考えて抜歯することに。
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ピッカピカになったブラッキーくん(^^)  真っ白い歯が素敵です。
荻窪ツイン動物病院の院長の町田先生は拡大鏡をつけて、少しでも歯石の取り残しがないように処置されます
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ブラッキーくん、だいぶ新しい環境にも慣れました。過去に何があったかはわかりませんが、男性が苦手。

ぎゅーーーっと保定されることも少し苦手。

でも、とてもお利口で、どこを触っても怒りません。

これからは毎日歯磨きもして、元気いっぱいに過ごそうね
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皆さも我が家の犬や猫たちの歯を見てみてくださいね!色が変色している歯はないですか?

もし変色している歯を見つけたらかかりつけに相談されてくださいね

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歯の吸収病巣
2016年10月18日 (火) | 編集 |
「口の中から出血していて、ふいても取れない」ということでご連絡いただきました

早速ご自宅に

8歳のソマリ、ルビちゃんです

もともと、お外に出るのが非常に苦手ということと、知らない人には警戒するというふうに伺っていました

案の定、どこにも姿が見当たりません(笑)

でも、飼い主さまにもこういう時は決して猫を探さないようにしていただきます。

猫さんはおそらく息を潜め、自宅に来た「何者か」がなんなのか一生懸命推測しているはずです。

こういう時に、まず猫さんを探してしまうと「やっぱり自分だった!!!!!」と猫さんの心臓ばばくばくになり、そして、とにかく逃げるか攻撃するかどちらかになってしまいます

なので、知らんぷりして、飼い主さまと症状の発症時期や日々の食欲元気の有無などまずはゆっくりお話を伺います。

そんな話をしているとひょこっと様子を見に来る子もいます。

でもルビちゃん、ちっとも出てきません

少し時間も経ったので、飼い主さまに連れて来ていただきました。

チラチラとこちらを様子みながら歩いていくるルビちゃん。

私は必死に目をそらします

すると、すぐそばまで来てくれたので、そっとおしりをポンポン

この時、しっぽを少し揺らしてくれると、ほんの少しお友達になれた証拠です(^^)

さてルビちゃん!!体重が約10kgあります

もちろんhappyすぎる生活をしてきたゆえなのでしょうが、これではいつ糖尿病になってもおかしくありません

なので、まずは食事内容、食事量、食事のタイミング、遊ぶタイミング、サプリの使用などなど細かくお話し、何か問題が起きる前にしっかりと減量も目標としました

ダイエットは必ずできます

まずは2週間に1回必ずご自宅で体重測定 これで推移がわかります。

8歳のルビちゃんは、幸い血液検査はperfect

どこにも異常がありません。

老齢性の関節炎も出てくる頃ですが、ひとまず見た目での歩き方には大きな異常もなさそうです。

さて、問題のお口。

見せてくれるだろうか・・・・とドキドキでしたが、なんとかお利口さんに見せてくれました。

ざっと確認。

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なるほど飼い主さまが「出血」とおっしゃっていたのはこの赤い矢印の部分です。
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確かに一見出血しているようにも見えますよね?


でも実はこれ、出血ではなく「吸収病巣」といわれるものです。

正確にいうと、破歯細胞性吸収病巣;はしさいぼうせい

なんらかの原因で破歯細胞という歯を溶かす細胞が活発化してしまうために起こる疾患です。

通常、破歯細胞は、乳歯がポロリと抜けおちるために活躍しています。

永久歯への吸収病巣の原因は歯周病だの、フードだの、色んなことが推測されていますがまだこれといった原因は確定できていない疾患です。

赤く見えるのは、吸収された部分を守るために、体がそこに歯肉を増生させてきます。

わかっていることは犬よりも猫に多い。
また、5歳以上の猫さんでは罹患率が高い。
MIXより純血種に多い。


吸収病巣は見た目にわかるものもあれば、歯肉の中で起きていることもあるので一見わからないことも多いです。

猫さんが食事中に歯ぎしりをするようになったり、顔を傾けてゴハンを食べるようになった場合、実はこれが原因であることも多いのです。  

しかも先ほど述べたように一見わかるものもあれば、歯科用レントゲンでしかわからないケースもあります。

これは2年前に当院の患者様のダックスさんの歯科レントゲンを撮影した時のお写真です。
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歯が完全に溶けていますよね
矢印で指している歯です。青い矢印の部分は特に吸収が強いです。

でも、この歯は、肉眼では普通の歯なんです。

痛みの程度は様々ですが、当然吸収領域が深くなれば、神経まで到達し強い痛みを起こします。

ルビちゃんはいつも当院でお世話になっている荻窪ツイン動物病院さんで治療予定です。

それまでに少しはダイエットしなくては!!

ルビちゃん、これからまだまだ長い猫生。

快適に過ごせるように一緒にケアーしようね。
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もしおうちの猫さんが食事をするときに何か少しでも変わった様子がある場合、歯のトラブルであることも多いので、かかりつけの病院にご相談くださいね

しまペットCLINIC
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ブリーダー崩壊から救われた命
2016年07月27日 (水) | 編集 |
今から3年前、あるブリーダーが崩壊し、約10畳のスペースで50頭もの犬たちと発見された中型mixのももちゃん

当時推定5歳くらい。

心優しい飼い主さまがももちゃんを家族に迎え入れてくださいました


性格はとても優しいももちゃん。でもどんな体験をしたのか、どんな思いをしたのか、自分をなかなか出すことができず多くのことを我慢しすぎてしまいます

ももちゃんの飼い主さまは私も大変お世話になっているDOGSHIPさんで、今も毎月トレーニングを受けていらっしゃいますし、当院の診察も毎月受けて全身チェックされています。
DOGSHIPhttp://dogship.com

犬たちにも心があり、生まれてきた時の性格はあれど、様々な環境要因で心も変化します

ももちゃんがどんな暮らしをしてきたのかはわかりませんが、保護犬の中には心に傷を持っている子たちもたくさんいるのは確かです。

そんなももちゃんがより犬らしく、より家庭犬らしく、より幸せになるために、飼い主さまがももちゃんと一緒にトレーニング受けていらっしゃいます。

ももちゃん、保護された当時はお耳がぐちゅぐちゅ

培養したり洗浄したり、今でもまだ緑膿菌という菌に感染を起こしているのですが、皮膚科専門医のアドバイスも受けながら治療中です。

さて、ももちゃん。

お口も一度ピッカピカにすることにしました

すでに8歳ぐらい。現在のももちゃんのお口では無麻酔での歯石除去では不十分と判断し、麻酔をかけて処置することにしました。

いつもお世話になっている荻窪ツイン動物病院さんで。
HPhttp://www.ogikubo-animal.com

ももちゃん、さすが、病院でも落ち着いています
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待合室でこの姿
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しかしながら、ももちゃんはてんかん持ち。

ももちゃんが極度に不安やストレスを感じないように、飼い主さまも私もずっと一緒に。
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術前検査で血液もレントゲンも超音波も全てパーフェクト

飼い主さまがガラス1枚隔てたところで見ていただける歯科専門治療室にて麻酔下での歯科処置を行いました。
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院長の町田先生はとても丁寧で美しい処置、毎回私も勉強させていただいています
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ももちゃん。過去にケージに入れられていたのか、ケージを前歯で噛んだような跡があり、その部分の歯が削られ、中の神経が今にも出てしまいそうな部分がありました

レントゲン写真で黒く抜けているところが神経です。(上顎、前歯のレントゲン写真です)
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矢印の神経は歯の表面までほんの数ミリしか距離がありません

ちょっと私の絵を(^^)
点線で書いたところが、本来あった歯ですが、削られています。
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全体的には軽度〜中程度の歯周病。 抜歯対象となるような歯はありませんでした

ももちゃん、よく頑張ったね

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目がさめると、飼い主さまにしっぽフリフリももちゃん
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麻酔の目覚めも大変良く、ホッと一安心です。

ももちゃん、ますます素敵な毎日を送ってね

来月もまた会いに行きます。

ももちゃん、歯磨き頑張ってね
トレーニングも一緒にがんばろうね

保護犬に対するトレーニング、飼い主さまケアー、犬たちの健康管理、とても大事なことだと思っています。

しまペットCLINIC
shima,.pet.clinic@gmail.com

12歳の保護犬、もくさん。歯科処置してピッカピカ!
2016年04月21日 (木) | 編集 |
一人で歩いているところを保護されて、保健所・愛護センターにやってきた推定12歳の柴犬の杢(もく)さん

もしかしたら迷子になったのか、どこからやって来たのか・・。

幸い杢さんが収容された愛護相談センターは、長い年月を経て飼い犬に対する不妊去勢の認知、室内飼育の増加等で、昔に比べ収容頭数が減りました。現在はできる限り殺処分をしない考えなのです。

そのため、杢さんは1年半センターで過ごしました。

でも飼い主さまは現れず。

そんな杢さんを、保護団体である「Dog Shelter(ドッグシェルター)」さんが引き出してくださいました。
Dog Shelter(ドッグシェルター)http://dogshelter.jp

日本全国で毎年数十万頭もの犬や猫が動物愛護センターに収容され、ガスによる殺処分となっています

Dog Shelterさんは、そんな殺処分の期限が迫る犬達をセンターから引き出し、温かな家庭で終生幸せに暮らすことができるように様々なケアーをしてくださっている団体さんです。

杢さんは今年の初め、Dog Shelterさんによりセンターから引き出され、今は預かりさんのお宅で心身ともにケアーしていただき、これからの犬生をともに過ごす新しい家族を待っています

先日杢さんを預かってくださっている預かりさんのご自宅に伺ってきました

杢さん、おっとり優しく、そして人の近くが落ち着くのか、気づくと足元にぴと。

でも気付くとどこかへ。柴犬らしさもあって、マイペース。

毛並みの状態も良いですし、血液検査でも全く問題がありません

ただ、心臓は雑音があり、心臓病があります

それと、杢さんのお口はものすごい歯石で、臭いもきついです

今は杢さんおいしくご飯は食べれているようですが、私の経験上、高齢になったり、腎不全、肝障害、その他様々な疾患で具合が悪くなり免疫が下がると、一気にお口の炎症がひどくなり、歯肉が膿んだり口腔内環境が非常に悪くなる子が多いです

なので、センターで1年半を過ごした杢さんが、今後穏やかで素敵な生活を新しいご家族のもとで迎えられるよう、歯科処置をお勧めしました。

Dog Shelterさんは、杢さんが幸せになるためならぜひにと

杢さんの歯科処置をお願いしたのは、当院でいつもお世話になっている荻窪ツイン動物病院さんです。
病院HPhttp://www.ogikubo-animal.com

処置当日、Dog Shelterの代表さんと預かりさんのお二人が連れて来てくださいました
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麻酔前検査をしっかりと行い、この心臓なら問題なく処置できると判断し、麻酔をかけて処置をしました
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杢さんがんばろうね♪
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歯石びっしり

でもこんなにキレイになりました
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処置を終えた杢さん、Dog Shelterの代表さんと預かりさんがそばで見守る中眼が覚めました
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まだ半分夢の中
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荻窪ツイン動物病院の院長、町田先生から現状の説明を受け、そして、杢さん帰りは自分の足で歩いて帰って行きました
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預かりさんのお家に戻り、なんと、今までご飯ちょうだいって言ったことのない杢さんがご飯欲しいアピール

13歳でも、シニアでも、保護犬であっても、こうやって心優しい方にケアーされ、新しい犬生を持つことができる。

杢さん口臭ゼロ(^-^)/


色んな理由があったのかもしれない、元の飼い主さまもずっと探しているのかもしれない。

でも、1年半センターで過ごしていたのも事実。

今こうやって優しい方たちに愛情をたくさん注いでいただき、そして、一生のパートナーになってくださる方を待っています。

杢さんの情報が記載されています。
http://dogshelter.jp/parents/1601t01_13_7kg.php

また、こちらは預かりさんのFBです。
https://www.facebook.com/柴姉さんの保護犬日記-580898025420122/


シニアならではのおっとり杢さん、1日も早く素敵な家族に出会えることを心から願っています。

そして、私にできるサポートはさせていただきますね

歯科処置から2日。預かりさんから杢さんのいつもの穏やかな日常のお写真が届きました
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