東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
壊れた心 救われた心
2017年07月09日 (日) | 編集 |
先日の保護犬診察報告の続きです。

この日は朝のでやってきました。

まずは愛護センターから殺処分寸前の犬たちを救い出して下さっているボランティアの方々に会い、そのまま半年前にセンターにいた子たちを預かって下さっている犬の訓練所に行きました。

始めてお会いする訓練士の方々。

私はドキドキしていましたが皆さまとっても優しい笑顔で迎えてくださいました

この日は、咳をしているトキの診察のほか、先月センターから引き出してもらったルーチェの健康診断をしました。

センターにいる時は怖がって採血どころではなかったようです

今はしっぽふりふりで近づいて来てくれます

ですが、抑えたり"何かされる"ということに対しては若干パニックになります

この子の採血は抑えない方が良いと判断し、訓練士の方に振り向かないようにだけ顔を固定していただき、後ろ足は手で駆血せずに駆血帯を用いて採血しました
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"抑えられる"という事が恐怖な子たちは駆血帯の方が良い場合があります

もちろん、今後は抑えたりしても大丈夫なんだよっという事を伝えて行きますが、まずは😊

フィラリア検査。

この地域、フィラリアが陰性である事は本当に嬉しいこと

ルーチェはフィラリア陰性でした
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良かったーとみんなでバンザイ😊

そして、腎臓や肝臓など一般血液検査もパーフェクト

良かったね!ルーチェ

きっと素敵な第2の犬生が始まるね。

そして、この子はサンクス。
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この子もmix。センターに収容されました。

収容時、サンクスは人が大好きで少しテンションは高いものの尻尾フリフリの人馴れした良い子でした。

ところが・・・収容数日後、なんと一般譲渡対象外、殺処分決定が下されたのです。

センターからの連絡で「噛む!」とのこと。

びっくりしたボランティアさんがすぐにサンクスに会いにセンターに行きました。

そこには、空を見つめたような目で、表情の全く変わったサンクスが険しい表情でギャンギャン吠え続けています。
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わかりますでしょうか?? 収容当初の時の写真との目の違いが。

手を入れようものなら噛みつかれる勢い。

なぜ・・・。

でも、これが現実。恐怖で怯えた犬たちが吠えまくるセンターでサンクスの心は壊れていったのです

”どうしたら良いのか。。引き出してあげたい。でも、本当にこの子を出す事が良い事なのか? この子を引き出してもし事故があったら??”  

皆さま悩まれました。 

ですが、トレーナーの方が収容当初の穏やかだった頃のサンクスの写真を見られ、「あれ?これは直るかも!」と言われました。

そこでボランティアの皆さまで何度も話し合われ、サンクスは心を回復させるため、トレーニング施設に預かっていただくことになりました。

そんなサンクスに今日は会えます

ドキドキして待っていると、しっぽフリフリさせながらトレーナーさんと歩いてきました

念のため、私は小さくかがんだまま、動かず、サンクスを触らず「サンクス良かったね」と伝えました。

それから、担当されているトレーナーさんに仰向け抱っこ
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この姿にはボランティアの方も涙ぐまれていました

お二人で一緒に歩かれる姿、トレーナーさんの指示でルンルンで座るサンクス。

本当にすごいです。

たくさんの愛情と、たくさんの気持ちを注がれて、犬が心を取り戻す。

壊したのも人間。直すのも人間。

ボランティアの方々、そして訓練士、トレーナーの皆さまには頭が下がります。

まだまだこれからですが、嬉しそうにしっぽを振るサンクスを見ていると、大切にしたい命だなぁって感じます。

何か少しでもお役に立てること、見つけていきたいです。

しまペットCLINIC
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救われた命 トキ
2017年07月03日 (月) | 編集 |
先日のご報告です

半年前、私が動物愛護センターを訪れた時、犬舎の中にいたあの子。

一般譲渡対象外とされ、殺処分の期限を待っていたあの子。

半年前のブログhttp://shimapetclinic.blog.fc2.com/blog-entry-331.html

【半年前】
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愛護センター、名前は素敵だけど、でも、実際には殺処分される場所。

中に一歩足を踏み入れると、一生懸命吠えて訴えてる。

吠えて凶暴そう→殺処分対象、一般譲渡不可。

途絶えることなく「動物愛護センター」には殺処分されるかもしれない子達が運び込まれる。。

センターにやってきた犬たちは2週間様子を見て、若い子や人馴れしている子は一般譲渡という枠に入ります。

センターの職員の方たちも、少しでも一般枠に入れるようその短い間に一生懸命愛情を注いでくださる。

一般譲渡に落ちた子は誰にも見向きもされない。

ミックス(雑種)は誰にも見向きされない。


でも、この状態この場所で、どうして犬の性格がわかるだろうか。誰だって、大声を張り上げて訴えたいに決まっています。

そんな子たちを救いだしてくださるボランティアの方々には本当に頭が下がります。

可愛いから飼う→いらなくなったから捨てる→またかわいいから飼う→やっぱり捨てる→犬があふれる→殺処分される

こんな図式は誰がどう考えてもおかしくて、世のたくさんの方がおかしいと感じていて、でも、目の前の亡くなっていく命に手を差し伸べてくださる方は本当に少ない。

たった数頭しか救えなくとも、全頭救えなくとも、それでも救われる命がある。

実際に活動されているボランティアの方々には頭が下がります。

半年前、救い出された柴犬mix。「トキ」という名前をつけてもらいました。

トキは心ある方に救い出され、この半年間ドッグスクールで家庭犬になるべく過ごしています。

訓練士の先生方にもたくさんの愛情を注いでもらいこんなにやわらかい表情に
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そんなトキが最近咳がひどいということで診察に行きました。

咳は以前からあったのですがここ最近さらにひどいということ。

今日は半年ぶりの再会。飛行機に乗ってやってきました

半年間愛情を注がれ過ごしてきたトキは、しっぽふって近づいてきてくれました
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トキはフィラリア陽性です。
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でもフィラリア症の咳ではなく気管に異常があると判断しました。

皆で話し合い、山を降りて動物病院に連れて行くことに

道中ケージの中でお利口にしていたトキ。

病院に着きました。 病院では絶対に恐怖で暴れると判断しました。

でも、暴れさせてしまうとさらにその子の怖さを助長させてしまいます

こちらがひるめば、相手をさらにパニックにさせてしまう。

だから絶対に暴れさせない、そう心に決め保定しました。
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動物病院の院長先生も獣医師も快く診察してくださり、なんとか無事にレントゲンやエコー、採血も終わりました。

トキ、怖かったね。 でもよく頑張ったね。 全てを終えたトキはようやく力を抜き頭を撫でさせてくれました。

「トキ、ありがとう、ごめんね」って涙出そうでした。

診察の結果、重度の気管虚脱です。

気管虚脱とは気管が潰れてしまう疾患です

ガーガーとアヒルが鳴くような咳が特長です。本来は小型犬に多い疾患。

こちらが正常の犬の気管のレントゲン写真
青い矢印で挟んだ黒いホースのようなものが気管です。
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そしてこれが今回撮影したトキのレントゲン写真。
気管が極端に細くなっているのがわかるでしょうか?
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気管虚脱の原因はあまりわかっていません。ですが、正常な犬と比較すると気管軟骨の細胞が明らかに減少していたり、先天的な軟骨形成不全が考えれています。

当然呼吸がスムーズにできないため動物は苦しいですし、興奮すればするほど呼吸に負担がかかり気管虚脱を悪化させます。

向こうの獣医師たちとも話し合い、まずは内科的に治療してみることに

そしてそれでも呼吸が苦しい!ということであれば外科的処置も考慮することにしました。

あれから1週間、薬がよく効いて咳が殆ど出ていないそうです

嬉しい!!!呼吸が苦しいってとっても辛いもんね。

また会いに行くからね

私にできることは本当に少ない。でもたくさんの方たちのお力を借りて私にできることがある。

少しずつだけど、でも、目の前の命に向き合っていきたいです。

しまペットCLINIC
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その後のかん太くんー炎症性ポリープ(ダックスポリープ)
2017年06月26日 (月) | 編集 |
今から1年半前、「3年前から時々ウンチに血液が付着する」ということで診察させて頂いた当時10歳のミニチュアダックスのかん太くん。
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川崎市にある日本動物高度医療センター;JARMeCで検査を行い炎症性ポリープであることがわかりました。

検査時のブログ;http://shimapetclinic.blog.fc2.com/blog-entry-258.html
その後のブログ;http://shimapetclinic.blog.fc2.com/blog-entry-274.html

炎症性ポリープはオスの中高齢のダックスに好発する腸管内のポリープで、「ダックスポリープ」とも呼ばれます。

症状としては良便に血液付着、軟便、下痢、血便、しぶり、便が出にくい・・です。

血液検査では大きな異常が出ることが少なく、食欲や元気も普通のことが多いです。


ダックスポリープの治療法は外科的切除ではなく、内科疾患とも言われるほど内科治療に反応します

ステロイドや非ステロイド系の消炎鎮痛剤、免疫抑制剤に大変よく反応しポリープが縮小します。

なぜこのようなポリープが発生するかは未だよくわかっていません。

ですが、ステロイドや免疫抑制剤に反応することから、ダックスに特異的な何らかの免疫学的異常が関与しているのでは?と考えられています。

どうしても薬に反応しない場合は外科的切除をすることもあります

この日からかん太くんの治療がスタートしました

治療開始してからのかん太くん、嘘みたいにピタッと血液が付着しなくなり、1ヶ月後の再診では3cmあったポリープがかなり小さくなりました

あれから1年半、途中ポリープがやや大きくなったり薬が変更になったりとありましたがかん太くんの体調はとっても良く毎日快適に過ごしています。

当初プレドニゾロンというステロイドとアトピカという免疫抑制剤を毎日飲んでいたかん太くん。

徐々にステロイドの減薬に成功しています

そして今月の高度医療センターの再診でもポリープはとても小さく、高度医療センターの獣医師とも話し合ってついにステロイドを一旦切ってみることにしました
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飼い主さまもまさかステロイドを切ることができる日が来るなんてと大感激

私もずっと頑張ってきたかん太くんと飼い主さまを見てきたのでうれしくてうれしくて!

先日ご自宅に往診に伺った時も、元気一杯しっぽぶんぶんで迎えてくれたかん太くん。

定期検診の血液検査も全く異常がありませんでした。

病気は終わりがなくて、まだまだケアーが必要ですが、でも、今日という日を笑顔で過ごせること、何よりの宝物です

しまペットCLINIC
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熱中症
2017年06月17日 (土) | 編集 |
6月に入り気温も湿度も急にあがり、1年で1番「熱中症」に関して気にかけなくてはいけない時期かもしれません

熱中症とは、高温環境に体がさらされた場合におこる身体の様々な障害の総称です。

熱中症を引き起こすには大きく分けて3つの要因があります。

「環境」「からだ」「行動」です。

【環境要因】
犬たちは自分たちでその暑い環境、多湿な環境を回避できないことが多いです。

逃げ場のない車内や、室内、クレート

また、真夏に関しては昼夜通しての散歩の危険性があります。

都心部の地面のほとんどは、アスファルトの道路や、コンクリートでできた建物に覆われています。アスファルトやコンクリートは熱をため込み、なかなか冷めません。

地面に近いこところにいる犬たちにとって、日が落ちても昼間にため込んだ熱の照り返しによりあっという間にサウナ状態です

【からだ(身体的)要因】
犬種や疾患、年齢などその子その子により暑い環境に体が十分に対応できないことです。

フレブルやパグ、シーズーなどの短頭種は他の犬種と比較すると、軟口蓋過長症など短頭種特有の疾患により呼吸をスムーズに行うことができないケースがあります。

また、一生懸命呼吸することで、さらに軟口蓋が腫れ、呼吸状態の悪化を招きます。

また、気管虚脱や心疾患など呼吸器や循環器に疾患を持っている子たちも熱中症へのリスクが高くなります。

子犬やシニア犬は体温調節機構がうまく働かず、成犬と比較すると熱中症へのリスクが高くなります。

その他、肥満の子たちもリスクが高まります。

【行動要因】
もともとテンションが高く興奮しやすい子は自分を抑えられなくなることがあります。

自らヒートアップしてすることで、それほど周囲が暑くなくても興奮により熱産生が起こり熱中症になってしまうことも。

落ち着くことを教えておくこともとても重要です。



このように様々な要因が重なり体温の上昇と調整機能のバランスが崩れ、どんどん身体に熱が溜まってしまい熱中症を引き起こします

40℃を超える熱が続くと、身体中の細胞や酵素、神経が障害を受け、それが持続していくと不可逆的な障害となり多臓器不全に陥ります

症状としては、、循環器、呼吸器、神経系m、消化器系、泌尿器系などが障害されることで低血圧、意識障害、痙攣、流涎、嘔吐、血便などが起こり、急性腎不全やショックを引き起こします。

あっという間に症状が進行し亡くなってしまうケースも多いので十分注意が必要です

それでももし熱中症になってしまったら、とにかく早急な対応が必要です。

【熱中症の応急処置】
熱中症になった場合の応急処置方法をご紹介いたします。

様々な方法がありますが、少しでも早く体温を38.5℃くらいまで下げることが重要です。

お散歩中やドッグランで熱中症の症状があらわれた場合は、すぐに日陰に移動し保冷剤でワキや首、内股など大きな血管があるところを冷やして体温を下げます。

室内の場合は冷房を強くし、室内の温度を下げてください。

ここで一つ覚えておきたいこと[emoji:i-197]

それは、身体を冷やしすぎたり、もしくは冷たい水に体を浸けるなどは、実は逆効果になることが

シバリングや末梢血管の収縮が起こり冷却効果が減少します。

*シバリング(shivering);私たちも熱の出始めなどで体が震えたり、寒い時にがたがた震えたりすることがありますよね!

シバリングは、体温が下がった時に筋肉を動かすことで熱を発生させ、体温を保とうとする生理現象です。

シバリングや末梢血管の収縮を起こしにくい方法として「ウォームスプレー法」というものがあります。

約40℃くらいの温か目のお湯を霧吹きで全身に散布します。この方法だとシバリングが起きにくく、効率良く体温を下げることができます

応急処置をしても症状が緩和しない、意識レベルが低い場合は緊急を要しますので、すぐに病院へ連れていってくださいね。

あつーーーい夏の到来ですが、でも愛犬たちと楽しい毎日を過ごしてくださいね

フレンチブルドッグライフにも同記事載せています
https://frenchbulldog.life/diseases/nechuusho

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6ニャンズ! 
2017年06月15日 (木) | 編集 |
先日の往診症例です

「我が家には猫が6匹暮らしているのですが、お外がとっても苦手で、病院に連れて行くためにキャリーバッグに入れると、バッグに顔を押し付けて血が出るほど騒いでしまうんです・・」

そんなご連絡をいただきました

お電話でお話しさせていただき、だいたいの猫ちゃんの様子をお伺いし、さっそくご自宅に

チャイムの音で逃げ回ってしまうかもとのことで、お家の前でまずはお電話。

そーーーっとおうちに入ります。

もちろん、この時点で全員気づいているとは思いますが、できる限り静かに&穏やかにおうちに入ることがとても重要です。

そしてまずはゆっくりと飼い主さまとお話し

保護猫ちゃんの10歳のパパとママ、そして8歳になる4頭の子供たちの6頭が暮らしています

そしてみんなとーーーーーーってもデリケート

唯一パパ猫さんが警戒しつつもそばまで来ています。
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猫さんがこちらを偵察しているときは私たちは呼吸を一定に、そしてなるべく動かず。

パパ猫さんは飼い主さまに抱っこっしていただき、その間に一般状態のチェック、3年ぶりのワクチン、そして血液検査も終了

さて、残りの5頭。この子たちに関しては絶対に自ら出てくることはないと判断し、こちらから行くことにしました。

こちらから捕まえに行くのは行くのですが、ものすごく無理やり抑えるのは絶対にNG

緊急性がない限り、そのような対応をしてしまうと、次回から2度と触らせてくれなくなります

なので捕まえるのですが本人にとってはあまり捕まった感を与えないように
って文字だと説明が難しいですね!笑

当院の看護師と一緒に無事に全員ワクチン&採血終了

処置を終えたパパ猫さんがキャットタワーから「おわったー?」と言わんばかりに見ています
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私たちが一番ホッとする瞬間です。

もちろん少しは怖い思いをさせてしまったかと思いますが、過度な興奮をさせることなく無事に診察を終えることができました。

そして全員血液検査結果はパーフェクト

本当に嬉しいです

ママ猫さん
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そして子供たち
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お外がとても苦手だったり、キャリーに入れることが難しいなどでお困りの方はどうぞお気軽にご連絡くださいね

当院にできるサポートさせていただきます。

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