東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
水頭症
2017年09月11日 (月) | 編集 |
先日、私が監修させていただいている、フレンチブルドッグのwebサイトで水頭症について記載させていただきましたのでこちらにも

トイプードルを診療する機会が一番多いかな?とは感じますが、チワワさんも関東ではとても人気の犬種です。

チワワのほか、フレンチブルドッグやボストンテリアといった頭の大きい犬種の飼い主さまが心配される病気の一つとして「水頭症」があるかと思います

我が子は水頭症は大丈夫かな!?

そんな心配をされる方もいらっしゃると思います。


水頭症の原因は、脳脊髄液が過剰に脳内(正確には脳室内またはくも膜下腔)に貯留することにより、頭部の内圧が上昇し神経などが圧迫されることにより症状が出ます

先天的に脳の奇形などにより脳脊髄液の吸収不全や循環障害などにより起きる先天性水頭症と、脳腫瘍や脳炎などが原因で二次的に発生する後天性水頭症があります。

症状の主体は脳脊髄液の過剰蓄積による脳の圧迫によるものです

一般的に先天性の水頭症は、1歳齢以下(特に生後6ヶ月齢以下)で意識障害や行動異常、急に怒る、発作、パニック、視覚障害、起立困難、四肢麻痺、発育障害などが認められます。

チワワさんだと、「急にパニック様になって怒る」というのは生後数ヶ月で見られることがあります。

合わせて、外観の異常として、横に大きく広がった頭、両目の斜視、泉門の開存などが見受けられます。

ただし、臨床症状を呈さない無症候性水頭症も存在します。

水頭症の診断は超音波検査、MRI検査、治療への反応から総合判断します。

水頭症は診断が難しく、脳室の拡大があるからといって水頭症と診断はできません

また、脳室の拡大があり、かつ、行動異常や神経症状などがあっても水頭症ではない場合もあります。

水頭症と症状も発症時期も似ているのが、頭部と頚部をつなぐ箇所での奇形(後頭環軸椎関節奇形)や脊髄空洞症といった疾患であり、鑑別が非常に難しいです。

また、これらは水頭症と併発していることもあり、正確な診断にはMRI検査が必須となります。

超音波検査は、泉門が開存している症例では、脳室の拡大や頭蓋内圧の亢進をある程度推測することが可能です。

まとめると、外観的に頭が大きく、斜視があり、かつ、行動異常や神経学的な異常が認められ、超音波検査で脳圧亢進と脳室拡大が認められ、MRIで後天性水頭症(腫瘍や脳炎など)やその他の先天的奇形の除外・診断を行い、脳室拡大を確認することが必要となります。


先天性水頭症の治療は,できるだけ早期の外科手術が望まれます

脳室に過剰に蓄積する脳脊髄液を、チューブを介して腹腔内に流れるようにする手術です。

常に脳圧が上がらないようにすることで神経的な症状や脳のダメージも起こさないようにすることが可能です。

とは言え、100%の手術ではなく、 チューブが詰まったり、体が異物反応を起こしたり、チューブが外れてしまったりと再手術が必要になるケースもあります

また、脳外科でもあるので、大学病院や専門病院でしか行うことができません。

内科療法は、あくまで対症療法となります。

脳圧を下げる薬や脳脊髄液の産生を抑制する薬などを使用します。

発作が起きる場合には抗てんかん薬なども併用し管理していきます

しかし、内科療法では一般状態が良好に維持できないと判断した場合には外科手術も積極的に考慮する必要があります。

水頭症の予防というのは難しいのですが、子犬の場合には、頭が広すぎないか、目は斜視ではないか、歩き方、動き方は正常か、また急に怒りっぽくないかをしっかりと確認し犬を迎えることも大切です。

また、お家に来て何らかの異常を認めるようであれば、かかりつけで受診なさってくださいね

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膝蓋骨脱臼
2017年09月04日 (月) | 編集 |
往診症例です

「歩いていたら急に足をケンケンした」「ジャンプしたあとキャンと言ってそのまま震えている」「病院で膝が悪いですよと言われた」

小型~中型犬の多くで膝蓋骨が日常的に左右に脱臼を繰り返している子たちがいます。

膝蓋骨脱臼は、事故などのアクシデントなどにより外傷性に発生することもありますが、もともと遺伝的・先天的に膝蓋骨の収まる大腿骨の溝が浅く形成不全であることが多いです。

本来は膝蓋骨は太ももの場所である大腿骨の先端の溝の中(滑車内)に挟まり、左右にずれることはありません。

しかしながら、関節の形成異常や、筋肉の動きに微妙なズレが生じると、膝の屈伸運動の際に膝蓋骨が脱臼することがあります。

症状としては、犬たちがケンケンしたり、痛みを訴えることもありますが、飼い主さまから見て無症状であることがとても多いのでなかなか気付かれず、かかりつけの病院で初めて指摘される方も多いかもしれません

実は脱臼そのものは犬たちにあまり痛みを感じさせません。

しかし、脱臼を繰り返すごとに軟骨が損傷し、骨関節炎が起こり、また、支えている靭帯の損傷も起こることで痛みを生じます

重度になれば膝を伸ばすことができなくなります

膝蓋骨脱臼の診断は、一般的に獣医師による膝の触診となります。

レントゲンを撮影することで、膝の脱臼を目視で確認することもできます

また、触診の状態から4段階のグレードに分類する方法も用いられています。

グレード1膝を伸ばした時に徒手にて膝蓋骨を滑車溝から脱臼させることができるが、指を離すとすぐに滑車溝に戻る。

グレード2膝を伸ばした時に徒手にて膝蓋骨を容易に脱臼させることができるが、指を離してもすぐには滑車溝に戻らない。後肢を内転・外転させると容易に膝蓋骨を脱臼・整復できる場合が多い。

グレード3膝蓋骨は常に脱臼しており、徒手にて整復が可能であるが、指を離すとすぐにまた脱臼してしまう。

グレード4膝蓋骨は常に脱臼しており、徒手にて滑車構内に整復するのが不可能である。脛骨のねじれなど、骨格に形態学的な異常の認められる場合がある。重症例では膝関節の伸展機構が破綻しており、膝関節を自力で伸展することができない。


ただし、症状とグレードは一致しなことも多く、グレード1であっても痛みが強い子もいれば、グレード4でも痛みを訴えない子もいます。

膝蓋骨は、前述の通り滑車溝を行ったり来たりすることで軟骨が磨り減り痛みを生じることもありますし、膝蓋骨を支えている靭帯が損傷を受け痛みが生じることがあります。

激しい痛みを訴えている場合には、靭帯での炎症・損傷が強い可能性もあります。


膝蓋骨脱臼の治療法には内科的と外科的な治療法があります。

内科的治療は保存療法とも言われ、痛みや炎症がある時に消炎鎮痛剤を用いたり、後肢の筋肉を強化するリハビリテーションなどを行うことで脱臼のリスクを減らします。

外科的治療は、手術で膝蓋骨をあるべき場所に整復します。骨を削ったり、時に大腿骨を短くして靭帯のテンションを緩めるようなことも行われたりします。

術式は専門家の間でも様々です。

ただし、もともと不安定なものを安定化させる手術なので、ときに、再脱臼を起こしてしまうこともあります

症状がない、もしくは気づきにくいこともあり、どの状態で手術をすべきかは獣医師によっても意見が分かれるところです。

実際にはグレード1という一番軽度の状態であれ、すでに骨の炎症、すり減りが起きていることがわかっていますが、痛みやその他の症状が全くなければ、経過観察とする場合が多いのかもしれません。

グレード4はグレード1〜3とは病態が全く異なり、骨の変形を伴ったり、膝を伸ばすことができずに不自然な歩き方になってしまうため、手術の適応となります。

この子はまだ1歳未満のトイプードルさん。
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座り方、歩き方が極端に異常を呈し、少しでも早く歩くと膝を曲げられないため、スキップしたようになってしまいます。


両側のグレード4という状態です。

YPC東京動物整形外科病院にて、詳細な検査を行い、膝蓋骨脱臼により骨の変形が起きてきていることから手術をした方が良いという結論になりました。
YPC東京動物整形外科病院 http://www.yamaguchi-pc.com/index.html

もちろん、両側の手術に加え、入院、そして術後の安静などは想像以上大変なものがあります。

何度も何度も飼い主さまと話し合い、最良の方法を考え、昨年末両側の膝蓋骨脱臼の整復手術を行いました

あれから半年、今はしっかりと両足使って歩くことができます!!

軽いジャンプや軽い速足などもまったく問題ありません。

まだまだ経過観察中ですが状態は非常に良好です
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膝蓋骨脱臼は一般の飼い主さまには発見が難しい場合が多いので、定期的に動物病院で健診を受けられることをお勧めいたします。

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肥満細胞腫
2017年03月31日 (金) | 編集 |
先日フレンチブルッドグのwebサイトに掲載させていただいた記事、「肥満細胞腫

フレンチブルドッグ、ボストン、ボクサーなどのブルドッグ由来犬種に多発するのですが、もちろん全ての犬種、全ての猫に多発する腫瘍ですので、こちらにもアップさせていただきますね

愛しい我が子の皮膚に何かポツッとできものがある

そんな経験をされたことがある方も多いかもしれません。

皮膚にできもの、日常の診療でもとても多いです。


皮膚感染症の一過性の湿疹(ニキビのようなもの)のこともあれば、放っておいても小さくなるような良性の腫瘍もあれば、当然悪性の腫瘍ができることも。

肥満細胞腫は皮膚腫瘍の中でもとっても発生率が高いです。

《症状》
体を撫でていたら、何かポツっと指先に触るものがある。
よく見たら、何かできものがある。

《原因》
体表にできる「できもの」はある程度年齢や、見た目、もしくはその周囲の皮膚状態からそれが何であるのかを推測できることもあります。

しかし、それはあくまで「推測」

犬の体表面にできる皮膚腫瘍の中で最も発生率が高いとされるのが「肥満細胞腫」です。

肥満細胞腫はそのできものの見た目がとってもバライエティに富んでいます。

つるんとした外観のものもあれば、毛がはえているもの、一つだけできるものもあれば、複数個できるもの、柔らかいものあれば、硬いものも。
外観上、すべての腫瘍に似ているのです

なので、見た目で「肥満細胞腫っぽい」とも「肥満細胞腫ではなさそう」とも言いにくい腫瘍です。

一般的にはシニア犬で発生しますが、6ヶ月齢の子犬でも発生することはあります。

そして、肥満細胞腫は悪性度の高いものから低いものまで様々です。

何年もかけて緩やかに成長するものあれば、一気に大きくなりリンパ節に転移するものもあります。

リンパ節に転移した肥満細胞腫は、肝臓や脾臓に病巣を作り、全身に広がります

肥満細胞腫は、組織学的に悪性度を判定することができるのですが、フレンチブルを含めたブルドッグ由来の犬種は、他の犬種と比較すると悪性度が低いものであることの方が多いです。

《診断・治療》
肥満細胞腫は一般的に針生検で診断可能です。とても特徴的な細胞なのです。

針生検は特に麻酔も必要ないですし、一瞬チクっとはするかもしれませんが、一瞬で検査可能です。

中には判断が難しく、鎮静下で組織を一部生検する必要があることもあります。

何れにしても、肥満細胞腫は怖い腫瘍であることは間違いないので、「見守る」のではなく、時に積極的に診断することも必要です。

治療としては、外科的に切除することが一般的。

悪性度にもよりますが、放射線や抗がん治療が必要となることもあります。

《予防》
犬たちは皮膚表面が毛で覆われているため、できものを見つけにくいのも事実。
常に我が子の体をさわり、何かできていれば、かかりつけの病院で受診されてくださいね

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誤飲・誤食
2017年02月21日 (火) | 編集 |
病気辞典を担当させて頂いている「フレンブルドッグライフ」の編集者の方から、「誤飲誤食に関しての記事」のリクエストをいただきました
フレンチブルドッグライフhttps://frenchbulldog.life

「たった今目の前でおもちゃを飲み込んじゃった!」

「気づいたらビニールガジガジしていて、半分くらい食べちゃった!」


そんなご連絡は当院によくあります(^^)』

誤飲による病院での受診は実はとても多いんです。

アニコム損害保険株式会社さんの調査によると、2014年の1年間での誤飲件数は、
犬種でいうと1位ボストンテリア、2位バーニーズ、3位はキャバリア、4位はジャックラッセル、5位がラブラドール、6位がフレンチブルドッグとなっています。
記事http://www.anicom-sompo.co.jp/company/news/news_0161130.html

都内では犬種的な背景から、トイプードルやフレンチブル、ダックスの誤飲を診察することが多いです。

また、圧倒的に、0歳から1歳の若い子に多いです。

さて、誤飲・誤食、目の前で飲んじゃった!そのときやるべき行動は

すぐに病院に連絡を!

今はもうやる方は殆どいらっしゃらないとは思いますが、決して「塩」を食べさせてはいけません。
「オキシドール」を飲ませてはいけません。


確かに、昔は食塩やオキシドールを飲ませて吐かせることもありました。

でも今は多くのことがわかるようになり、塩やオキシドールを飲ませた場合の体に及ぼす損傷・影響はとても大きなもの。決してやってはいけません

ですので、目の前で何かを飲み込んでしまった場合はとにかく病院へ連絡をしてくださいね

さて、目の前で飲み込んだ場合は、飼い主さまもすぐに次の行動に移せるとは思いますが、こんな症状も実は誤飲誤食だったりします。

「うちの子は朝によく胃液を吐く」インターネットで調べたら、「空腹時嘔吐」ってあるからきっとそうゴハンをもっと頻回にあげよう
ゴハンを頻回にあげたら確かにあまり吐かなくなったかも!時々は吐くけど!


実はこれ・・・胃内に異物がある可能性があります。

以前、朝に時々吐く、でも食欲元気はいっぱい、排便も良好!
しかし内視鏡をいれてみたら、数ヶ月前に飲み込んだと思われる、ぬいぐるみが二つも出てきました!!

ぬいぐるみやおもちゃなどの異物が胃の中でころころしている場合、食事を食べて胃が膨れていると特に違和感を感じませんが、時間がたち、食事だけが腸の方に消化されていくと、胃の中には異物だけが残り、胃を刺激し吐き気が出ます。

他にもこんなケースがありました。

3ヶ月に及ぶ慢性嘔吐。レントゲンで胃内にくっきり映る異物。
内視鏡を入れてみたところ金属片が胃に張り付いており、その部分で炎症が起き、時間帯にかかわらず吐き気を起こしていました。

異物自体は小さなものでしたが、金属片などは溶解し胃に張り付き重度の炎症を起こすことがあります。

時々吐くけど、食欲も元気もあり、排便も良好。一般的に飼い主さまには「危険!異常!」とどうしても映りにくくなります。

『うちの子は吐きやすいから』と言われる事がありますが、確かに犬は人よりは吐きやすい動物です。

でも、度々吐くというのはどこかに異常が隠れている可能性があります。

私たち獣医師は、吐かせるケース、経過を見るケース、内視鏡をするケース、開腹手術をするケースを必ず分けて考えています。

なので、もし我が子が何かを食べてしまった!もしくは、よく吐く!そんな時は、まずはかかりつけ医にご相談くださいね。

さて、そもそもどうして異物の誤飲や拾い食いが多いのでしょう?
犬はとても嗅覚が優れています。フレンチブルドッグは鼻の長い犬種と比較すると確かに嗅覚は劣りますが、それでも私たちよりもはるかに素晴らしい嗅覚を持っています。

犬は、興味がある物に対して、「近づいて匂いを嗅ぐ」という習性があります。
犬は、目の前のそれが「なにか?」を理解する為に嗅覚を使っています。でも、私たち飼い主は、犬が落ちているたばこや食べ物に興味を持って臭いをかぎに行ったとしたら、食べたら大変!と思って、あわててリードをひっぱったり、大きな声で注意したりしてしまいがちです。
そんな私たちの行動こそが、ますます犬たちの好奇心を刺激し、落ちているものを何でも口に入れる習慣へとつなげてしまうのです。

犬にとって臭いを嗅ぎ、興味を持つという事は当然の行動です 。

であれば、口に入れたものを飼い主さまの指示で「出す」ということを日頃から楽しく犬たちに教えておくことはとても重要です。

そして、圧倒的に若い子で多い誤飲誤食。一緒に暮らす家族だから、床に何か落ちていないか、食べて危険なものはないか?しっかりお家や散歩コースを確認してあげてくださいね
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胆嚢摘出したブーフくん-胆嚢粘液嚢腫
2016年02月24日 (水) | 編集 |
先日の症例報告です

13歳のミニチュアダックスのブーフくんです
かかりつけの動物病院の定期検診で胆嚢に異常があると診断されました

胆嚢(たんのう);皆さま一度は聞いた事があるかと思います

私たち人間にも胆嚢はあります。

胆嚢は肝臓に包まれるように存在します。

相変わらず恥ずかしい絵を・・・。なんかバランスがおかしい(´・_・`)
足が揃っているのがいけないのかしら・・。
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肝臓で作られた胆汁を蓄える働きがあります。

胆汁は特に脂肪分の消化を助ける働きがあり、胆嚢は必要に応じて収縮して、総胆管(図のピンクの→)を通して十二指腸へ送り出し食物の消化を助けます
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胆嚢内の胆汁が粘性を持ち、泥状になった状態を「胆泥;たんでい」と言います。

当然、粘性を持つので、細い胆管や総胆管を通りにくくなり、胆嚢内に留まってしまいます

また、胆泥の他に、胆嚢内がゼリー様物(ムチン)の物質で置き換わってしまう疾患を胆嚢粘液嚢腫;たんのうねんえきのうしゅと言います

左が胆泥症右が胆嚢粘液嚢腫です。
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皆さまのワンちゃんの中にも、「胆泥が溜まっています」と診断された子もいらっしゃるのではないでしょうか?

もしくは、「胆嚢粘液嚢腫」と診断された子もいらっしゃるかもしれません。

胆泥、胆嚢粘液嚢腫・・・。実はまだまだ発生機序などはっきりとわかっていることが少なく、また無症状であることも多いので私たち獣医師の中でも治療をどうすべきか悩むところです

胆泥に関する現在の考え方に関しては、後日アップするとして、今回はブーフくんが診断された胆嚢内がゼリー様物質で置き換わってしまう、この「胆嚢粘液嚢腫」について

胆汁が粘性を持った胆泥と、胆嚢粘液嚢腫は基本的には異なる疾患と思ってください。

胆泥があると胆嚢粘液嚢腫になるというデータも今はまだ特に出ていません

ただ、胆嚢粘液嚢腫の疾患で、胆泥が溜まっていない疾患はないそうなので、関連性を否定はできないのですが・・。

ただ、ひとつわかっていることは、胆泥と胆嚢粘液嚢腫は、よほど初期じゃない限り、エコー検査で区別がつきます

そして、胆嚢粘液嚢腫と診断し手術を行った約50頭の犬では、症状の有無やエコーの見え方に関わらず、2−3割の子がすでに胆嚢破裂を起こしていたというデータがあります

胆嚢粘液嚢腫は胆嚢内がゼリー様物質に置き換わり、内腔が非常に狭くなり、胆嚢の収縮も、正常の子の半分以下になってしまいます

また、破裂を起こした胆嚢は周囲の組織もダメージを受け、組織がもろくなっているため、手術自体も難しくなります

なので、私個人的な意見といたしましては、「胆嚢粘液嚢腫」と診断されたならば、できるだけ健康なうちに時期を見て胆嚢を摘出すべきかなぁと考えています。

胆嚢はなくても良いのか!?と心配される方もいらっしゃると思いますが、先ほどの絵にもあるように、胆嚢は肝臓で作られた胆汁を貯めておく臓器。

もちろん、なくて良い臓器なんてないですが、でも胆嚢は仮になくても、肝臓から胆汁はちゃんと分泌されていますので大丈夫です。貯蔵する場所がなくなるだけです。

その後の食事も生活も基本的には今まで通りで問題ありません

ブーフくんは、症状もなく、とても元気でした。

ですが、かかりつけの病院で、胆嚢粘液嚢腫が進行し、胆管にも負担がかかり胆嚢も胆管も腫れている危険な状態であるため、手術したほうが良いと診断され、昨年末手術をされました

摘出した胆嚢はやはり破裂寸前で、胆嚢内もゼリー様物質で置き換わり、胆嚢としての機能はもはや果たしていなかった様です
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私自身も、手術をして良かったと納得した症例です。

手術を終えたブーフくん。飼い主さまのご面会にしっぽをふる元気
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ところが・・・この後実は、長年負担をかけてきた胆管に術後小さな穴が開き、緊急手術が再度行われました。

飼い主さまはあんなに元気だったブーフくんが、手術をしたことで具合が悪くなり再度手術になったことでどれだけご自身を責められたことか・・

でも、ブーフくんの摘出した胆嚢はすでに炎症が起き、経過を見ていたら、おそらく破裂していたことと思います。

手術をしたことが間違いのなのではなく、それほどの状態だったということ。

ブーフくんのかかりつけの病院の先生や看護師の方たちがブーフくんが術後快適に過ごせるようにと、自宅での治療をご提案してくださったそうです

病院スタッフが点滴などを搬入し、自宅治療の準備が整いました。
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まだ状態が安定せず、飼い主さまも不安な気持ちがたくさん。

でも、動物は病気を理解できません。飼い主さまがなぜ悲しんでいるのか、なぜ不安に思っているのかも。

だから、いつものように優しく声をかけて元気に接してあげて下さいね

動物には生きる力がたくさんあります

大好きな飼い主さまの存在がその力をさらにアップさせてくれます。

手術から約2ヶ月。ようやく血液検査の数値も安定し、ブーフくんもすっかり元気になりました

今は腎臓も肝臓も心臓も元気いっぱい。
ブーフくん13歳、頑張ったね(^^)
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胆嚢粘液嚢腫はエコー検査で診断することが可能です。

また、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患が関与することも示唆されています。

どちらも早期発見が可能な疾患ですので、どうぞかかりつけで定期検査をされてくださいね

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