東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
繊維反応性腸症
2015年02月25日 (水) | 編集 |
最近なぜだか短頭種の記事ばかり

たまたまなのですが(^^)

今回も、現在治療中のフレンチブルドッグのグーちゃんのお話です


グーちゃんは2歳の男の子。

半年前から徐々に軟便になり、ある時から水下痢になりました

単純な下痢やアレルギー性のものを疑って色々フードを変えてみたけれど下痢が治らないということで当院にご連絡いただきました

さっそくお家に伺って今食べているフードやおやつ、生活スタイルなどなど細かくお話しを伺い全身状態もチェックさせていただきました。

グーちゃん、下痢以外はとっても元気そうで他に問題はなさそうです


犬や猫が下痢や軟便をした時、それが急性なのか慢性なのかはとても重要です。

急性下痢の8割は自然に治ってしまう事があります。

だからこそ、私たち獣医師は、『下痢』という症状の犬や猫たちを診る時、細かく細かくお話を聞きます。

飼い主さまからいただいた情報の中に疑わしい疾患や答えがあることが本当に多いです。

ライフスタイル、フード、おやつ、サプリメントの見直しで薬を色々と使用しなくて治るものもたくさんあります。

数週間から数ヶ月続く下痢は寄生虫感染や病原性細菌感染、内臓の疾患、アレルギー、免疫性疾患、腸内の腫瘍などなど本当にたくさんの疾患を考えなくてはいけません

ですが!フレンチブルドッグ。

フレンチブルドッグの下痢。

実は他の犬種と違い、フレブルちゃんが下痢や軟便の時はちょっと考えを変えなくてはいけません

腸にタンパクが漏れ出てしまう蛋白漏出性腸炎や、アレルギー性腸炎などが多い一方で、単純な「繊維反応性腸症」という疾患も多いのです。

これはどんな疾患かと言うと、フードに繊維を過剰に足してあげないと腸の中で便を固める事が出来ない疾患です。

フレンチブルドッグに多く、もちろん他の犬種でも見られます。

これを見逃してしまうと下痢が治らず、そのせいでフードの栄養分を吸収する事が出来ず、下痢のせいで血中のタンパク質の値が下がり、血液検査で「低タンパク血症」と診断することになり、結果、ステロイドの投与と悪循環になることがあります。

もちろん!こういった免疫介在性の腸炎が多いのも確かなのですが、まずは単純にフードに繊維を足してみます

繊維には可溶性繊維と非可溶性繊維があり、どちらも体にとって大変重要です

腸の蠕動運動を刺激したり、便の排泄をスムーズに行ったり、悪玉菌の生成を抑えたり、善玉菌の生成を促したり

w/dといった療法食にも繊維がたくさん含まれているので下痢が止まりやすいのですがw/dは下痢を止める作用が強いので、繊維反応性腸症なのか、それとも別の病気なのかわからなくなってしまいます

療法食は今はネットで誰でも簡単に手に入りますが、療法食というものは一般の健康体が食べるフードとは異なり、疾患ごとに特別に作られたものなので、極端に栄養素が制限されていたり増やしてあったりしますので、必ずかかりつけの獣医師と相談しながら使ってくださいね

さてグーちゃん!グーちゃんもw/dで何ヶ月も軟便・下痢だった便が固まりました。
となると、繊維反応性腸症の可能性があります。

そこで使用するのが、メタムシル


これは人用の海外サプリメントなのですが、成分は100%ナチュラルのオオバコから、高品質の繊維が高い割合でブレンドされているものです。

さすが海外製品。1パックに大量に入っています(笑)

これを、今まで食べていたフードにふりかけて使用します。


グーちゃんメタムシルを足すとウンチが固まります。適量よりも減らしていくと軟便から下痢になります。

グーちゃんに適切な量を1ヶ月くらいかけて探り、今はとても順調です。

好きなフード、なんでも食べてOKです。


グーちゃんの飼い主さまは、w/dだと、ウンチは固まるけど、便の回数・量がすごく増えてしまうことと、食糞してしまうこと、そしてウンチ自体がボソボソして片付けにくいことをとても気にされていました。

今はメタムシルで回数も落ち着き、食糞もなく、そしてさっと取れるので片付けやすく、とても喜ばれています



その後の経過観察として血液検査を先日行いましたが、タンパク質やアルブミンの値もバッチリで、ちゃんと消化吸収されていることがわかります


グーちゃん本当に本当に良かったね(*^^*)

お腹の健康は体が健康であるための必須項目です。

もしおうちの子のウンチの状態で気になる症状がある場合にはかかりつけに相談してみてくださいね

しまペットCLINIC
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