東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
脳腫瘍
2014年05月29日 (木) | 編集 |
先日の往診症例をご紹介いたします

7歳のフレンチブルドッグコタツくんです。

今月初め、突然ぐるぐると旋回し始め、意識がもうろう

脳の異常が強く疑われたので、すぐに脳のMRIを撮ってもらいました。

その結果、ガングリオーマと診断されました。

ガングリオーマ、別名、神経膠腫とも言われます。

いわゆる脳腫瘍です。

脳腫瘍は、髄膜腫だとか、神経膠腫だとか、星状細胞腫だとかいくつか種類があるのですが、これを確定診断するには組織検査が必要となるので犬では人ほど脳腫瘍の分類までは行われません

しかし、今はMRIなどの画像検査が可能となり、それぞれの脳腫瘍はある程度画像上の場所や見え方により脳腫瘍の種類を推測することができます。

犬の脳腫瘍は脳幹や小脳よりも大脳に発生することが多いです。

高齢の短頭種に好発します。

症状としては、性格の変化と、運動の機能の異常、痙攣発作が頻繁に見られます。

その他の症状として、旋回運動、運動失調、斜頸、嗜眠、強制歩行、行動の変化、失明、攻撃性の増加、徘徊が見られます。

治療は、ステロイドや抗痙攣薬を使用します

これらの治療は、根本の治療ではなく、神経症状を抑えてあげたりすることにより動物のQOLをあげる治療です。

コタツくんもステロイドと抗痙攣薬によりかなり状態が改善しました

コタツくんは抗ガン治療(化学療法)も行っています

基本的に、殆どの薬剤は脳に到達することができないので、理論的には抗ガン治療は脳腫瘍に効果的ではないと言えます。

しかし、実際には多くの脳腫瘍は脳を破壊するため、抗ガン剤は脳に到達でき、脳腫瘍に効果があると評価されています。

コタツくんは今のかかりつけの病院で治療を頑張っています

脳腫瘍は、腫瘍の範囲によっては外科手術が適応となることもあります。

放射線療法も期待できることがあります。

コタツくんは今回、内服薬と抗ガン治療を選択され、飼い主さまと一緒に頑張っています。

当初、目も虚ろで呼吸も悪く、意識もうろうでしたが、往診で会いに伺ったコタツくんは、目もハッキリとしていて、ドアまで喜んでお出迎えしてくれました


もちろん、気づくと旋回し始めて、疲れて座り込むまでぐるぐる歩いているのですが、呼べばちゃんと反応し、来てくれます。


コタツくんは小さい頃から『嗅覚を使ったトレーニング』を受けていました。
セントトレーニングhttp://dogship.com/library/scent/

飼い主さまが久しぶりにコタツくんにセントトレーニングをしたところ、意識がハッキリとし、目に見えて状態が良かったそうです

コタツくんがイキイキ!

セントトレーニングはごく自然に自分の脳を活用します。匂いを嗅ぐといった犬の本能を刺激することで、自然と犬がイキイキするのでしょうね

ぜひぜひ体調の良い時には取り入れていただきたいです。

これから先、けいれん発作が起きることも十分に予想されます。

でも、その時少しでも飼い主さまが落ち着いて対応できるようにお話しさせていただきました。

病気は飼い主さまにとってもとても辛いです。受け入れたくない現実でもあります。

病気には治る病気と治らない病気があります。

でも、コタツくんと飼い主さまが、一日一日を穏やかに過ごせるよう、獣医師としてその子にできる最良の方法をご提案し、一緒に治療をがんばっていきたいと思っています。

コタツくん頑張ろうね

『お兄ちゃま、私も応援してるよっ!』



今日、飼い主さまからかわいいお写真が送られてきました




しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com

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