2014年12月23日 (火) | 編集 |
先日、フレンチブルドッグのみりんちゃんの手術に立ち会いました
ブログでも何度か紹介していますが、フレンチブルドッグ、パグ、ボストンテリア、シーズーなどいわゆる“お鼻が短い犬種”短頭種に起こる呼吸器の問題です
短頭種気道症候群に関しては過去のblogを参考になさってくださいネ
http://shimapetclinic.blog.fc2.com/blog-entry-73.html
短頭種気道症候群は遺伝的素因により、若いうちから発生し、慢性経過をたどりながら徐々に悪化していきます
みりんちゃんはまだ1歳。 ここ最近非常に呼吸が苦しくなるペースが速くなりました

お散歩でも、室内でもちょっと興奮しただけで、チアノーゼまでいかないにしても相当苦しそうです

一緒にお散歩を見させていただき、この状態では軟口蓋切除を行った方が良いと判断しました。

でも・・・・。飼い主さまはこの数年で2頭のフレブルちゃんを早い段階で亡くしたばかり。。。
それがどんなに苦しかったことか。
でも、もちろんみりんちゃんの手術をした方が良いことは飼い主さまも十分に感じていらっしゃいます。
ご家族みんなで話し合い、手術に踏み切りました。
今回受診した病院は短頭種にとても力を入れていらっしゃる病院
私も一緒に伺ったのですが、本当にすてきな病院でした

飼い主さまへの説明もとても丁寧でわかりやすく、同じ獣医師としてとても勉強になりました


飼い主さまも「ここなら!」と納得され、手術を決意。
12月20日、私も立ち合いのもと、手術が行われました。
今回みりんちゃんが行った手術は「軟口蓋切除」と「鼻腔を拡大する手術」
文献によると、上記にあげた「軟口蓋過長」と「狭窄性外鼻孔」を切除した場合の改善率は96%と高い治療効果が得られます。

まず軟口蓋切除ですが、特殊な機械を使って切除していきます。


術中、手術のポイントや内部構造など丁寧に教えてくださいました。
みりんちゃん、扁桃腺も気管周囲も赤く腫れていました。
短頭種はどうしても呼吸時に無理がかかっているので、みりんちゃんのように扁桃腺やその周囲組織が赤く炎症を起こしているケースがとても多いそうです。
短頭種と暮らされているおうちには、ネブライザーが1家に1台あると良いですね

次に鼻腔切除。
こちらの病院での術式は他のどの病院でもされていないようです。
つまり、見ている外側だけでなく、問題は鼻の中の狭窄という事。
特殊機械を使用して鼻の中を広げていきます。

私も実際に確認しながらの手術。
とても理にかなった術法、驚きと感動
この病院の院長先生が短頭種でたくさんの経験をされてきたからこその術式だそうです
扉一枚向こうには飼い主さまが待っていらっしゃいます
そうそう。ここもなるほどなぁと思ったところなのですが、この病院では、短頭種の手術は麻酔導入直前までワンちゃんと飼い主さまは一緒にいてもらいます。
興奮する子は飼い主さまにオペ室に一緒に入って頂きます。
フレブルちゃんの場合、飼い主さまと離れただけで呼吸があがってしまう事が。。
そうすると、あっという間に軟口蓋は腫れあがってしまいます
また、麻酔が覚めたらすぐに飼い主さまにそばに来てもらいます。
みりんちゃんも目が覚めてすぐに待合室の飼い主さまのお膝に。

しばらく様子を見て、日帰りでおうちへ(*^^)v

無事に手術を終え、本当に本当~~~~~にホッとしました

退院時、院長先生からこんなお話しが。
「この手術をすると、かなり高率でゴミ箱をあさるので気を付けてくださいね。すごくお鼻が利くようになるんでしょうね、それと、嗅覚をいっぱい刺激してください。回復がより良いです」
と。
自宅に戻ったみりんちゃん。真っ先にゴミ箱に行き、くんくんくんくん!!
すご~~~い
先代のフレブルちゃんたちが得意だったセントトレーニングもこれから楽しみですね
1ヶ月くらいでみりんちゃんの呼吸を確認しに往診に伺う予定です(^^)
みりんちゃん、飼い主さま、本当におつかれさまでした
飼い主さまからこんな素敵なお写真を頂きました(*^^*)
みりんちゃん、くんくん色んなにおいを楽しんでいるのかな♪

最後に、みりんちゃんの手術をしてくださった東先生、スタッフの皆さま、心より感謝申し上げます。
しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com

ブログでも何度か紹介していますが、フレンチブルドッグ、パグ、ボストンテリア、シーズーなどいわゆる“お鼻が短い犬種”短頭種に起こる呼吸器の問題です

短頭種気道症候群に関しては過去のblogを参考になさってくださいネ

短頭種気道症候群は遺伝的素因により、若いうちから発生し、慢性経過をたどりながら徐々に悪化していきます

みりんちゃんはまだ1歳。 ここ最近非常に呼吸が苦しくなるペースが速くなりました


お散歩でも、室内でもちょっと興奮しただけで、チアノーゼまでいかないにしても相当苦しそうです


一緒にお散歩を見させていただき、この状態では軟口蓋切除を行った方が良いと判断しました。

でも・・・・。飼い主さまはこの数年で2頭のフレブルちゃんを早い段階で亡くしたばかり。。。
それがどんなに苦しかったことか。
でも、もちろんみりんちゃんの手術をした方が良いことは飼い主さまも十分に感じていらっしゃいます。
ご家族みんなで話し合い、手術に踏み切りました。
今回受診した病院は短頭種にとても力を入れていらっしゃる病院

私も一緒に伺ったのですが、本当にすてきな病院でした


飼い主さまへの説明もとても丁寧でわかりやすく、同じ獣医師としてとても勉強になりました



飼い主さまも「ここなら!」と納得され、手術を決意。
12月20日、私も立ち合いのもと、手術が行われました。
今回みりんちゃんが行った手術は「軟口蓋切除」と「鼻腔を拡大する手術」
文献によると、上記にあげた「軟口蓋過長」と「狭窄性外鼻孔」を切除した場合の改善率は96%と高い治療効果が得られます。

まず軟口蓋切除ですが、特殊な機械を使って切除していきます。


術中、手術のポイントや内部構造など丁寧に教えてくださいました。
みりんちゃん、扁桃腺も気管周囲も赤く腫れていました。
短頭種はどうしても呼吸時に無理がかかっているので、みりんちゃんのように扁桃腺やその周囲組織が赤く炎症を起こしているケースがとても多いそうです。
短頭種と暮らされているおうちには、ネブライザーが1家に1台あると良いですね


次に鼻腔切除。
こちらの病院での術式は他のどの病院でもされていないようです。
つまり、見ている外側だけでなく、問題は鼻の中の狭窄という事。
特殊機械を使用して鼻の中を広げていきます。

私も実際に確認しながらの手術。
とても理にかなった術法、驚きと感動

この病院の院長先生が短頭種でたくさんの経験をされてきたからこその術式だそうです

扉一枚向こうには飼い主さまが待っていらっしゃいます

そうそう。ここもなるほどなぁと思ったところなのですが、この病院では、短頭種の手術は麻酔導入直前までワンちゃんと飼い主さまは一緒にいてもらいます。
興奮する子は飼い主さまにオペ室に一緒に入って頂きます。
フレブルちゃんの場合、飼い主さまと離れただけで呼吸があがってしまう事が。。
そうすると、あっという間に軟口蓋は腫れあがってしまいます

また、麻酔が覚めたらすぐに飼い主さまにそばに来てもらいます。
みりんちゃんも目が覚めてすぐに待合室の飼い主さまのお膝に。

しばらく様子を見て、日帰りでおうちへ(*^^)v

無事に手術を終え、本当に本当~~~~~にホッとしました


退院時、院長先生からこんなお話しが。
「この手術をすると、かなり高率でゴミ箱をあさるので気を付けてくださいね。すごくお鼻が利くようになるんでしょうね、それと、嗅覚をいっぱい刺激してください。回復がより良いです」
と。
自宅に戻ったみりんちゃん。真っ先にゴミ箱に行き、くんくんくんくん!!
すご~~~い


1ヶ月くらいでみりんちゃんの呼吸を確認しに往診に伺う予定です(^^)
みりんちゃん、飼い主さま、本当におつかれさまでした

飼い主さまからこんな素敵なお写真を頂きました(*^^*)
みりんちゃん、くんくん色んなにおいを楽しんでいるのかな♪

最後に、みりんちゃんの手術をしてくださった東先生、スタッフの皆さま、心より感謝申し上げます。
しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com
この記事へのコメント
突然のコメント失礼致します。
私は滋賀在住で二歳半になるオスのパグを飼っています。
こちらには短頭種気道症候群の手術の検索からたどり着きました。
小さい時、近所のかかりつけ医から鼻が狭いから広げる手術を去勢の時にでもした方がいいかもと言われつつ、麻酔のリスクが怖くて手術せずにきてしまいました。
最近このかかりつけ医に行った際に、息も荒いし短頭種気道症候群かも、これは年々悪化する可能性があると言われ、手術を検討しております。出来れば短頭種を多くみているところで手術してもらいたいと考えており、ぜひみりんちゃんの手術をした病院をおしえて頂けないでしょうか。宜しくお願い致します。
私は滋賀在住で二歳半になるオスのパグを飼っています。
こちらには短頭種気道症候群の手術の検索からたどり着きました。
小さい時、近所のかかりつけ医から鼻が狭いから広げる手術を去勢の時にでもした方がいいかもと言われつつ、麻酔のリスクが怖くて手術せずにきてしまいました。
最近このかかりつけ医に行った際に、息も荒いし短頭種気道症候群かも、これは年々悪化する可能性があると言われ、手術を検討しております。出来れば短頭種を多くみているところで手術してもらいたいと考えており、ぜひみりんちゃんの手術をした病院をおしえて頂けないでしょうか。宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます(*^^)v こちらの病院は東京都文京区にあるパティ動物病院です。
http://www.pati-clinic.com/
滋賀県からですと遠いですね(>_<) お近くの信頼できる病院でも良いと思いますよ!
鼻腔を広げる際、見えている部分だけでなく、鼻の穴の中を広げる術式をオススメします(^^) うまくいくといいですね!
http://www.pati-clinic.com/
滋賀県からですと遠いですね(>_<) お近くの信頼できる病院でも良いと思いますよ!
鼻腔を広げる際、見えている部分だけでなく、鼻の穴の中を広げる術式をオススメします(^^) うまくいくといいですね!
2015/04/05(日) 17:19:23 | URL | しまペットCLINIC #-[ 編集]
早速お教え頂きありがとうございます。
また、アドバイスありがとうございます。
色々情報を収集して納得出来る所を探してみます。
本当にありがとうございました。
また、アドバイスありがとうございます。
色々情報を収集して納得出来る所を探してみます。
本当にありがとうございました。
2015/04/07(火) 23:31:40 | URL | 小野寺 #-[ 編集]
記事を読ませていただき、手術を検討しているものですが、こちらの2つの手術は金額どのくらいでしたか?突然の質問で申し訳ないです。
2017/02/13(月) 20:20:56 | URL | うーと #-[ 編集]
うーとさま
フレンチブルと暮らされていらっしゃるのですね!手術料金は病院によって本当に様々。ブログの病院は東京都文京区にあるパティ動物病院です。
http://www.pati-clinic.com/
詳しい金額はお問い合わせされてみてくださいね!
> 記事を読ませていただき、手術を検討しているものですが、こちらの2つの手術は金額どのくらいでしたか?突然の質問で申し訳ないです。
フレンチブルと暮らされていらっしゃるのですね!手術料金は病院によって本当に様々。ブログの病院は東京都文京区にあるパティ動物病院です。
http://www.pati-clinic.com/
詳しい金額はお問い合わせされてみてくださいね!
> 記事を読ませていただき、手術を検討しているものですが、こちらの2つの手術は金額どのくらいでしたか?突然の質問で申し訳ないです。
2017/02/13(月) 20:36:43 | URL | shimapet #-[ 編集]
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