東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
避妊手術後に偽妊娠
2015年03月02日 (月) | 編集 |
先日の往診症例です

生後10ヶ月齢のトイプードル、ぷにちゃんです。
先日避妊手術を終えて、自宅に戻ってきました。


術後3日目、どうもぷにの様子がおかしいと当院に連絡をいただきました。

クレートにこもったまま出てこず、くんくんずっと鳴いているというのです。

飼い主さまは術後の傷が痛むのかな?と、かかりつけでいただいてきた消炎鎮痛剤を飲ませたものの、変わらずくんくん。

さっそくお家に伺ってきました。
私もお家に入るまでは、傷の違和感などがあるのかなぁと思っていました。

ところが、おうちに入ってみると、それはそれはシッポふりふりの元気いっぱいのぷにちゃんのお出迎え(笑)


痛みや熱があるようにはとても見えません

よくよく飼い主さまにお話を伺うと、普段はおもちゃやボールをくわえて歩き回る事なんてないのに、ずーっとボールをくわえているとのこと。

そして、クレートの中をやたら引っ掻き回しているとのこと。


・・・・。 もしかして・・・・。

ぷにちゃんにバンザイしてもらいおっぱいを一つ一つチェックすると、一番上の乳腺が少し張っていて、押すと乳汁が少し出てきます

そう。 ぷにちゃん『偽妊娠;ぎにんしん』でした

犬は他の動物と違い、発情が来た後、妊娠の有無にかかわらず、妊娠をサポートするホルモンが出ます。
なので、発情が来るとやや乳腺が張ったりします。

ですが、著しく乳腺が張ったり、実際に乳汁がおっぱいから出たり、とても神経質になって攻撃的になったり、巣作りしたり、ぬいぐるみやボールを子供のように守ったりする行動を、臨床において偽妊娠と診断します。

原因はホルモンの分泌量が関係しているようです。

また、今回のケースのように、避妊手術直後(3~7日)に偽妊娠が起こることもあります。

ぷにちゃんは生後8か月で初めての生理(ヒート)が来ました。

ヒート直後は、子宮や卵巣の血管も発達しているので一般的には避妊手術には適しません

子宮や血管の腫れが収まってくる2ヶ月くらいは間をあけるよう推奨しています。

とは言え、その次のヒートが6か月後くらいに来てしまうので、その前に行う必要がありますのでタイミングが難しいですね

偽妊娠は、ヒート後2ヶ月くらいで避妊手術をした場合にホルモンの関係で偽妊娠に陥りやすいので、早急に乳歯を抜歯しなくてはいけない!などがなければ4ヶ月くらいあけても良いかもしれません。

ぷにちゃん、手術の傷もチェックしましたが、とってもきれいに縫ってあり、全く問題ありません。
完全に「偽妊娠」のための行動変化です

さて、偽妊娠と診断がついたので、まずはおうちのチェックです。

偽妊娠の対処としては、まず、守っているぬいぐるみなどがあれば刺激しないようにそっと取り除きます。

ぷにちゃんも子供のようにかわいがっているボールがあったので、私がぷにちゃんの気を引いている間に飼い主さまにさっと隠して頂きました。

クレートも上を開放しました。


他にも狭いところにこもりすぎてしまうようなら一時的にこもれないようにします。

おっぱいは飼い主さまも触らないように。もしぷにちゃんがペロペロ頻繁に舐めてしまうならお洋服などを着せて一時的に舐められないようにします。

偽妊娠は飼い主さまの適切な対応がとーーっても大事なんです(^^)

とはいえ・・・。私も、飼い主さまも女性。ぷにちゃんの子供(ボール)を隠す罪悪感(笑)

その日の夜は、子供をくんくん鳴きながらずっと探していたそうです(T_T) ぷにちゃん。。。

おととい、4日ぶりに再診に行ってきました

飼い主さまの適切な対応によりぷにちゃんの偽妊娠もだいぶ治まってきています。


まだ少し乳腺が腫れているけど、経過観察で良さそうです

ぷにちゃんを子供のようにとってもとってもかわいがっていらっしゃる飼い主さま。

『まさか、もう孫(ボール)ができるなんて!』っと仰られていました(笑)

術後くんくん鳴いてクレートにこもっていたら、普通、「痛いのかな!?」って思いますよね。

でも、犬という動物。人では思いつかないような疾患・状態もあるので、まずはかかりつけにご相談くださいね

しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com



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