東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
クッシング症候群
2015年03月19日 (木) | 編集 |
先日の往診症例のご紹介です

12歳のダックスの男の子ブーフくんです。


2年くらい前から血液検査で肝臓の数値がやや高く、尿検査では尿比重がいつも低いと結果が出るそうです

まずは今までの検査データを全て確認させていただき、細かくお話を伺いました

ブーフくん、高齢であることからいくつか疾患を考えなくてはいけないのですが、大事なことは、診療の基本はまずは除外すべき疾患は除外するという事です。

みなさま、副腎皮質機能亢進症って聞いたことありますか?

クッシングさんという方が発見したのでクッシング症候群とも呼ばれます。

副腎とは腎臓のすぐそばにある、あずきサイズの臓器です。
簡単に言うと体に必要不可欠なステロイドホルモン;コルチゾールなど”を産生しています。

ステロイドっと聞くとドキッとされる方もいらっしゃると思いますが、ステロイドホルモンは私たちが生きていく上でとても大事なホルモンなのです

それこそ、身体にストレスが加わったり、炎症が起きると、それをしずめようとしてくれるのがステロイドホルモンです

私たちが身近に皮膚炎などで皮膚科に行き、ステロイド配合の軟膏をもらってつけると炎症がす~っと引きますよね(^^)

このようにステロイドは抗炎症効果などももち、身体の機能を維持する上で必要不可欠なホルモンなのです。

しかし、クッシング症候群とは、このステロイドホルモンが必要以上に副腎から過剰に分泌され、その結果、いわゆるステロイドの副作用とされる様々な良くない状態が起こる疾患です。

このクッシング症候群、犬では人や猫と比較して圧倒的に発生率が高く、とても重要な内分泌疾患の一つとされます。


正常な状態では、図のように、脳の下垂体から、ACTHというホルモンが出て、副腎に『ステロイド作ってください!』と指令が出ます

副腎はその指令に従って『はい!作ります』といって必要量作っているのです。

しかし クッシング症候群の大半の子は、下垂体腫瘍により、必要以上にACTHホルモンがドバドバ出て、結果副腎から大量のステロイドホルモンが産生されます


また、下垂体は正常でも、副腎が腫瘍化してしまい、下垂体からの指令とは無関係にステロイドホルモンが副腎から大量に産生されてしまう病態もあります


もちろん各種検査により確定診断をしていきますが、お家で気づける症状のサインとして、
・最近良く水を飲む
・最近おしっこの量が増えた
・血液検査で肝臓の数値が高い
・体型がポテっとしている
・皮膚炎がなかなか治らない
・すぐに膀胱炎を繰り返す


などです。 もちろん他にも色んな症状がありますが、クッシングの子の90%以上は多飲多尿を示すと言われています。

また、クッシングの子の80%以上で何らかの皮膚疾患を持つと言われています。

ブーフくん、皮膚はきれいなのでクッシングの可能性は少ないかなと思っていますが、尿比重が低くて肝臓の数値が高い場合、頭の角に入れておかなくてはいけませんね

飼い主さま、初めて聞く疾患だったので、今回はこのお話をさせて頂きました(^^)

今は、腎機能の評価と肝臓のサポートを行い、1か月後に再度診察させていただく予定です

ブーフくんが繋いでくれた飼い主さまとの出会いに感謝です。
とても楽しい往診時間となりました。

ブーフくんがこれから先も素敵な時間を過ごせるようにサポートさせていただきますね

しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com


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