東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
僧房弁閉鎖不全症
2015年06月23日 (火) | 編集 |
8歳ミニチュアダックス海(かい)くんです


歯の裏側の歯石がびっしりついているということで相談をいただきました。

表側は無麻酔でもきれいに歯石を取ることはできますが、裏側にかなりついていることと、年齢と犬種を考え、一度麻酔下でしっかりとケアーする事をオススメしました

いつも当院がお世話になっている『荻窪ツイン動物病院』に一緒に来院しました

飼い主さまは遠方にお住まいで、なんと新幹線で連れてきてくださったのです

久しぶりに会う海くん、いつも穏やかで優しい男の子です(^^)

さっそく術前検査

をしたところ・・・。なんとレントゲンで心臓肥大が認められ、聴診でも心雑音を聴取

ペンで指しているところが拡大しています。

超音波検査も行い、僧房弁閉鎖不全症という事がわかりました。


今では小型犬と暮らされている方がとても多いので、犬の雑誌や本には必ずと言ってよいほど『僧房弁閉鎖不全症』は小型犬の代表的心疾患として記載されています

実際に、中高齢の小型犬の子たちを聴診すると、心雑音を持っている子によく遭遇します

「僧房弁閉鎖不全症」、簡単に説明します。(ややこしいので図をみならがら文章追ってくださいね(笑) )


心臓には4つお部屋があります。(左心房、左心室、右心房、右心室)

図のように、全身を巡ってきた血液は右心房に流れ込み、右心室を通って肺に行き、肺で酸素たっぷりの血液に交換されます。

その後、左心房に戻ってきて、「僧房弁」と言われる弁を通り左心室に流れます。

心臓がドクンっ!と拍動すると、左心室に溜まっていた酸素たっぷりの血液が全身に流れていきます。

本来、左心房と左心室を隔てている「僧房弁」は心臓がドクンっ!と拍動した時にはしっかりと閉じ、血液が逆流しないようにしているのですが、この「僧房弁」が変性し血液の一部が左心室から左心房に逆流することにより左心房の内圧があがり様々な病態を起こす疾患です。


小型犬の純血種に多く、マルチーズ、ヨーキー、ポメラニアン、トイプードル、ダックス、シーズー、キャバリアなどに多発傾向が見られます。

10歳以上の子では必ず定期的な診察をオススメします。

僧房弁閉鎖不全症は病態によりいくつかに分類されます。(近年ではステージA、B1、B2、C、Dの5つ)

ステージごとに治療のガイドラインがあり、また効果の高い薬もたくさんあるので、しっかりと向き合うことで、僧房弁閉鎖不全症と診断されても、より快適に犬たちが暮らせる選択肢がありますので、心配なことは何でもかかりつけの病院に相談されてくださいね

そして海くん。心疾患があることはわかりましたが、この段階なら麻酔はかけられるだろうと判断し、またこれ以上進行したら麻酔は難しいと判断し、飼い主さまと話し合い、麻酔下歯科処置を行うことに。

「行ってきます!」   ガラス1枚隔てて、飼い主さまがずっと付き添ってくださっています


麻酔をかけ、各種検査を行い、最終的に歯科用レントゲンで歯の根っこを確認。


残念ながら1本は抜歯になってしまいましたが、でも、1本で済んだから良かったかな

口の中は所々赤くなっており口腔内環境はあまり良くありませんでした。


歯垢歯石は細菌の塊なので(>_<)

でもピッカピカになりました(*^^*)


麻酔からしっかり覚めるのに少し時間がかかってしまいましたが、でも、夕方には元気になり、飼い主さまと一緒に新幹線で自宅に戻られました

新幹線でのお写真や、自宅に戻られてからのお写真をいただき、私もほっと一安心です


その日のゴハンもモリモリ食べてくれた様子です


きっとこの様子を見て何よりも嬉しかったのは飼い主さまですね(*^^)v
飼い主さまご自身も犬のお仕事をされていらっしゃいますが、我が子の前では、一飼い主。

本当にお疲れ様でした。

そして、心臓に関しては今後お薬を継続していきます

海くん。楽しいHappyな毎日にしましょうね

そうそう、1月のブログでご紹介した麻酔下歯科処置をしたダックスのロッキーくん。
ブログ http://shimapetclinic.blog.fc2.com/blog-entry-201.html
その後も飼い主さまは一生懸命オーラルケアー頑張っていらっしゃいます♪

当院が定期的におこなっているDOGSHIPさんとのコラボレッスンにも定期的に参加され、今は歯の裏側を磨くためのtubeくわえも出来るようになってきました(^^)
DOGSHIPさんとのコラボレッスン(7月) http://dogship.com/new10/wp-content/uploads/2015/06/20150701_event.pdf

犬たちは口を開けたままにするのが苦手。でも、何かをくわえた結果、口が開いているのはOKです。
やみくもにtubeをくわえさせてもうまくはいきません

そこに楽しさやロジックを組み込んでトレーニングしていくと上手にくわえられるようになってきます
先日ロッキーくんの飼い主さまからこんなかわいいお写真が(^^)


ロッキーくん、来月も楽しみにしていますね!

そして、海くんもこれから一緒に頑張りましょうね


しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com

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