東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
アトピー性皮膚炎 ①
2012年05月27日 (日) | 編集 |
こんにちは

今回のトピックはアトピー性皮膚炎です。

ちょっとお話が難しいのと、アトピーはとーっても奥が深いので、何回かに分けてシリーズでお伝えいたします

さて、もうすぐじめじめ梅雨がやってきます

梅雨がやってくるととたんに増えるのが">『皮膚疾患』です

おうちのわんちゃんで、皮膚が痒くて治療されたり、定期的に皮膚炎を起こす経験はないですか?

もちろん、外耳炎だけの子もいるでしょうし、手足の先を舐めるだけの子もいると思います

今回、皮膚炎の中でも非常に多い『アトピー性皮膚炎』に関してお話したいと思います。


【アトピー性皮膚炎の発生機序】
体には、侵入してきた異物に対する様々なバリア機能があります

抗原抗体反応(こうげんこうたい反応)というのですが、簡単に言うと、

侵入してきた異物が抗原体の中でその異物を排除しようとするのが抗体です。

異物(抗原)は、花粉や、ハウスダストマイト、かび、食物、昆虫の分泌物など様々です。

1度侵入してきた異物(抗原)は、体に記憶され、再度侵入してきたときにはこの抗原抗体反応により、いち早く異物(抗原)を体から排除しようとします

ところが、この反応が自分の細胞を障害することがあり、これがアトピー性皮膚炎の病理発生と考えられています。


上記に挙げた反応は、いわゆる、免疫学的なお話なのですが、人のアトピー性皮膚炎は主にこの側面が関与していると言われています。

なので、人のアトピー性皮膚炎はスキンケアで改善することは少なく、治療にはステロイドや免疫抑制剤は必須です

犬のアトピー性皮膚炎も今までは人と同様の免疫学的要素で考えられていたのですが、最近の研究で別の側面が見えてきました

結論から言うと、大部分の犬のアトピーは、免疫学的要素を全く考慮しなくても、改善・維持することが可能。

つまり、的確な感染防御と、スキンケアのみで劇的な改善をいたします

むしろ、ステロイドや免疫抑制剤による薬物療法のみでは、効果は一時的で、長期的には改善・維持は出来ません
(*柴犬、柴犬mix、一部のわんちゃんのアトピーでは免疫学的要素が強く、薬物療法が必要です)


免疫学的要素とは異なるもう一つの側面とは、

それは、皮膚のバリア機能が低下することが主因のアトピーの発生あるいは悪化です。

もともと、皮膚には強力なバリアがあります。

このバリアは極めて小さなものしか通過することができないため、通常の異物(抗原)はこの皮膚のバリアを超えて体内に入ることができません。

したがって、仮にアトピー素因を持つ犬の皮膚の上に大量の抗原があったとしても、正常な皮膚バリアがあれば、上記に挙げた抗原抗体反応は起きないので、皮膚症状は発生しないとも言えます。

多くの犬のアトピーには、皮膚のバリアが存在し、症状を出しているようです。

【結論】
犬のアトピーは人のアトピーとは異なり、免疫学的要素が極めて少ないと考えられ、従来の、免疫学的側面中心とした治療(薬物療法)だけでは、成功の可能性は低いです。

次回は、適切なスキンケアについてお話します!

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