東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
急性胃炎ードキドキたまちゃん
2016年03月02日 (水) | 編集 |
先日、当院にこんなメールをいただきました

「我が家の猫はとっても怖がりさんで病院に連れて行くことができません。
過去に病院に連れて行って、過呼吸になり、そのまま半日入院し、呼吸が少し落ち着いてきたので、すぐに迎えに行き、事なきを得ました。
その後も、1回だけどうしても具合が悪くなり、病院に連れて行こうとしましたが、途中で過呼吸になり、近くの病院に駆け込んだことがありました。」


そんな猫さんが食欲がなく嘔吐を何度もしていて、血も混じっているということです

始めてお伺いするおうち

インターホンで逃げてしまうかもということでおうちの前でお電話し、飼い主さまに玄関を開けていただきました。

そーっとそーーーーっとおうちにお邪魔しました。

たまちゃんのお家は、なんと猫さんが8頭

そのうち2頭は、新しい家族を待っています

初めておうちに上がった私にみんなドキドキと興味津々なのがとっても伝わります

もちろん私もなるべく他の猫さんと目を合わさないようにお部屋を通り過ぎるのですが、じーーーっと見ている子、一目散に逃げていく子、ニャアニャア近くに寄ってくる子、いつでも逃げられる準備をしている子(*^_^*)

一番奥の部屋に行くと、キャットタワーで小さくなっている猫さんがいました。
15歳のたまちゃんです。
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たまちゃんは3年前にかかりつけで「甲状腺機能亢進症」と診断され、薬は使わずに『y/d』という療法食で維持されてきました

通常、食べ物にはヨウ素が含まれます。このヨウ素により、甲状腺機能亢進症の猫ちゃんでは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうのです。

y/dというフードは、通常のペットフードに含まれるヨウ素を極力制限しているので、甲状腺機能亢進症の猫さんでも上手に甲状腺ホルモンが抑えられ良い結果をもたらしてくれます。

y/dの製品情報 http://pd.hills.co.jp/thyroid/

ただし 何よりの問題はこのフードを食べるかどうかというところ・・・

たまちゃんも、少し前からあまりこのフードを食べなくなり、仕方なしに他のフードも混ぜていらっしゃったようです。

飼い主さまは、病院に連れて行って現状を確認してあげたい気持ちの一方で、病院に連れていくことで呼吸不全になるたまちゃんのことを思い、ここ数年とても悩まれていたそうです。

たまちゃん、確かにとーーってもビビリさんですが、こちらに攻撃性は全くありません。
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なので、タオルで顔を隠し、飼い主さまにゆっくり撫でてもらい、優しく声をかけてもらい、後ろ足から採血しました
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ビビリの猫さんでも、顔を出してあげたほうが落ち着く子と、顔を隠してがあげたほうが落ち着く子がいます

脱水が認められたので、検査結果が出る間に輸液を開始。
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そうこうしているうちに検査結果が出ました。
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やはり、甲状腺ホルモンの値がものすごく高く、それに伴い若干肝臓も影響を受けているようです。
でも心配していた腎臓機能は問題ありませんし、今回の症状は、急性出血性胃炎と判断し、胃炎の治療を行いました。

翌日、嘔吐も止まり、状態が落ち着いているようです

ごはんも、おいしいごはんはぺろっと食べてくれた模様

猫ちゃんの甲状腺機能亢進症とは、首の所にある甲状腺という組織から、過剰に甲状腺ホルモンが分泌されることにより、体に種々の障害をもたらす病気です。
(人ではバセドウ病としてよく知られています)

症状としては、
・食欲が増進しその割には痩せて行く
・飲水量が増加する
・性格が活発あるいは攻撃的になる
・以前よりもニャーニャーニャーニャー鳴く
・毛がパサパサしている
・時々下痢や嘔吐をする


などなど。

また、甲状腺ホルモンが過剰に出る事により肝臓や心臓などにも負担がかかります

日本では13歳以上の猫ちゃんの約2割に甲状腺機能亢進症が見られると報告されています

原因の多くは甲状腺の過形成や甲状腺腫瘍によるものです。

血液検査で甲状腺ホルモン(T4)の値を測定することで、体にとってT4が適応量かどうかをチェックすることができます。


治療ですが、一般的には『チアマゾール』というお薬を使用します

甲状腺ホルモンの合成をおさえて、その分泌を減らし、結果的に、甲状腺機能亢進症のいろいろな症状が改善するものです。

ただ、時に、この薬にアレルギー症状を出す子がいるので最初は特に要注意です

あとは、お薬使わずに食事療法 もりもり療法食食べてくれるならこちらも良い選択です

たまちゃん、胃炎の症状が落ち着いたら一緒に甲状腺の病気に向き合っていこうね

怖がりたまちゃん。でもお家でリラックスしている時はこーーんなにのんびりしているそうです
素敵なお写真ありがとうございます
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しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com
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