東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
元保護猫、ベイリーちゃん
2017年06月03日 (土) | 編集 |
先日の往診症例です

14年前、アメリカで保護された猫、ベイリーちゃんです

保護された当時、体の毛は全て抜け落ち、無残に避妊手術を実施されたと思われる大きなぐちゃぐちゃの傷を抱えたまま、人間を怯えながら見ていたベイリーちゃん。

今の飼い主さまが手を差し伸べてくださり、新たな家族として迎え入れられました。

そして数年前から日本で暮らしています。

飼い主さまにはすっかり慣れ、夜は飼い主さまのベッドで一緒に眠ります

そんなベイリーちゃんが、ここ最近尿をもらしたり、食欲がなかったり、嘔吐をするということでご自宅に伺ってきました

人がとっても怖く、病院では聞いたことのない声を毎回あげるそうです

確かに存在を消しこちらの様子を少し伺っています。
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ただ、飼い主さま曰く、人が来ているのにベイリーが戸棚に隠れないのはすごいことなんだとか。
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そっと手を出してみるとなでなでさせてくれました
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まずは現状を把握するために血液検査を行いました

ベイリーちゃんは、慢性腎機能障害(慢性腎不全)と、甲状腺機能亢進症があることがわかりました。

どちらも今のベイリーちゃんには治療が必要です。

飼い主さまと病気のこと、これからのこと、たくさん話し合いました。

腎臓病に関しては、今のままではベイリーちゃんの食欲不振と吐き気につながるため、輸液やサプリメント、食事療法が必要。

甲状腺機能亢進症に関しては投薬治療もしくは食事療法が必要。

飼い主さまが一番気になるのはベイリーちゃんの精神的なところです。

「治療のために病院に行くことは正直不可能であり、自宅での治療もベイリーは受け入れてくれるかしら?」

腎臓病も甲状腺機能亢進症も治る病気ではないのでこれから継続的に治療が必要となります。

そんな話を床に座って飼い主さまと私と看護師で丸くなって話しているととってもびっくりすることが

なんとベイリーちゃんがその輪にトコトコ入ってきたのです
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そんな姿に飼い主さまは感激

何気ないことなのですが、過去のベイリーちゃんを知る飼い主さまにとっては人の輪に入る姿は感動なのです。

以前にもブログでお話しした事がありますが、猫ちゃんの甲状腺機能亢進症とは、首の所にある甲状腺という組織から、過剰に甲状腺ホルモンが分泌されることにより、体に種々の障害をもたらす病気です
(人ではバセドウ病としてよく知られています)

症状としては、
・食欲が増進しその割には痩せて行く
・飲水量が増加する
・性格が活発あるいは攻撃的になる
・以前よりもニャーニャーニャーニャー鳴く
・毛がパサパサしている
・時々下痢や嘔吐をする

などなど。

また、甲状腺ホルモンが過剰に出る事により肝臓や心臓などにも負担がかかります

6-20歳の中高齢のネコちゃんに多く、性差はありません。

日本では13歳以上の猫ちゃんの約2割に甲状腺機能亢進症が見られると報告されています。
(※当院では8歳以上の猫ちゃんは1年に1回は甲状腺ホルモン濃度を測定する事をオススメしています)

原因の多くは甲状腺の過形成や甲状腺腫瘍によるものです。

血液検査で甲状腺ホルモン(T4)の値を測定することで、体にとってT4が適応量かどうかをチェックすることができます。

慢性腎機能障害(慢性腎不全)に関しても今は腎臓病の進行を抑える薬や、サプリメント、療法食が充実しています。

ベイリーちゃんがこれからもご家族と素敵な時間が過ごせるために、できる治療を一緒に。

週に1回伺っていますが、だいぶ表情が和らいできました
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自宅でできることまだまだたくさんあります。

治療を理解できない動物たち。治療は嬉しくはないとは思いますが、でも少しだけガマンして受け入れてくれる子たちはたーーくさんいます。

飼い主さまに抱っこされなでなでされながら点滴治療を受けるベイリーちゃん。
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どうか諦めずになんでもご相談くださいね

しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com

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