東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
猫さんの糖尿病管理
2017年11月10日 (金) | 編集 |
先日の往診症例です

11歳の猫、ボーノくんです。

糖尿病があるので、1日2回インスリンのお注射が必要です。

猫さんの糖尿病は原因は様々。

膵炎だったり、薬剤誘発性だったり、副腎腫瘍だったり・・・

でも最も多いとされているのが、以下の2つです。

◎遺伝や高カロリー、高脂肪食、運動不足などにより引き起こされる「インスリンの作用不足」が原因とされる人でいう2型糖尿病。

◎慢性膵炎


血糖値を下げる役割をするインスリンというホルモンは膵臓から出ます。

実は中高齢の猫の9割は「慢性膵炎」を患っているというデータがあります。

食事や生活環境が関係しているのかなぁと思っていますが、まだ断定はできません。

糖尿病の原因とされている、膵炎は、超音波検査、血液検査などである程度診断できますので必ずチェックします。

糖尿病を上手にコントロールするには、生活習慣の改善に加えて、膵臓のケアーも同時に行うことがとても大事です。

そして治療の主体は「インスリン注射」です。

「治療」と書きましたように、昔に比べて猫さんの糖尿病はとてもうまく管理できるようになりましたので、いずれインスリンの量を減らしたり、投薬をやめることができる可能性が十分にあるということです。

なので決して諦めず糖尿病と向き合ってくださいね

インスリン注射はもちろん必要なのですが、それよりももっともっと大事なことがあります。

◎体重管理
肥満がいけないように感じますよね?

もちろん肥満も良くないのですがもっと良くないのが「痩せていること」です。

インスリンは脂肪、筋肉に作用しますので、痩せすぎで脂肪も筋肉もないとインスリンが全然効きません。

なので、痩せている場合にはしっかり給餌して体重を増やします。

◎炎症やストレスはないか!?
膀胱炎や歯肉炎、関節炎などの何らかの炎症が体にあると、ストレスがかかります。

ストレスが体にかかると、副腎という臓器からその炎症を抑えようとコルチゾールというステロイドホルモンが出ます。

その結果、ステロイドホルモンによりインスリンが効かなくなります。

しかし、興味深いのが、中高齢になると何らかの炎症がない動物はいないということ。

もちろんこれは人のデータですが、老化=慢性炎症

猫さんで言えば、10歳以上の猫は7割が老齢性関節炎があると報告されています。

すべての炎症を把握したり、改善することは難しいですが、運動療法、ハーブ、サプリ、時に薬などにより慢性炎症はかなり改善することできますので、こちらも積極的に併用していきます。


◎食事
可能な限り規則正しく食事を与えた方が血糖コントロールしやすいです。

そして、食事ももちろん、高タンパク低炭水化物が良いのですが、高齢になると、慢性腎障害をもっている猫たちも多いです。

慢性腎疾患の猫さんには高タンパクではなく低タンパク食が勧められますので、腎障害がないかどうかもしっかり見ていく必要が有ります。

食事は高タンパク低炭水化物の方がインスリン量が減らせる傾向にはありますが、腎疾患やその他の問題があって高タンパク食与えられない場合には、インスリン量を調製すれば良いだけですので、決して心配しないでくださいね!

ボーノくんは、まだ目も開かない子猫のときに今の飼い主さまに保護されました。

当然そのときはすでにお母さん猫はいませんので飼い主さまがミルクをあげて育ちました。

その後も、必ず1日1回は直接フードを口に入れるということをされてきました。

理由は、いつかこの子がなんらかの疾患で給餌しなくてはいけなくなったとき、少しでもストレスが少なく受け入れてくれるように・・・という思いで。

今は糖尿病があるので、インスリンを注射したらぜひとも食べてもらいたいもの。

なのでこうやって給餌してくださっているのです。

とっても上手



そして、糖尿病管理でやはり重要なのが、定期的に血糖値を測定することです

最初にお話ししたように、猫さんの糖尿病の場合、インスリン注射を続けることで、本来自分が出していたインスリンが貯蓄されてきて、少しずつ自分でも出せるようになってきます。

なので、同じ量のインスリンを投与し続けると、効きすぎてしまう可能性があるのです。

糖尿病は確かに毎日インスリンの注射が必要ですし、定期的なモニタリングも必要ですので、飼い主さまには大変な負担もあるかとは思います。

でも、今は色んなことがわかっていますし、

食事の種類、食事の上げ方もその子その子に合った方法があり、インスリンも今はいくつも製剤があります。

最初はそれを見極めるためにとても大変な期間がありますが、でも、どうぞかかりつけの獣医師に不安なことは全部話して一緒に治療されてくださいね

毎日がお互いに穏やかでhappyに過ごせるように。

難しい糖尿病の管理ではありますが、きっとうまく行く方法があると思いますので

ボーノくんのお気に入りの治療場所は押入れの中♪
IMG_0419.jpg

しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック