FC2ブログ

東京、千葉、神奈川、ペットの往診動物病院です。飼い主様の環境とその子にあった治療方法をご提案いたします。
犬のフィラリア症
2019年05月31日 (金) | 編集 |
9歳のチワワちゃん。
IMG_75m59.jpg

なんと!!!フィラリアの検査で陽性でした!!

IMG_8838.jpg


都内でもフィラリアに感染することがあります😢

訳あって少しの間予防ができなかったことが原因です。その時に感染してしまったのでしょう。

先月から治療を開始しました

これから1年近くかけて治療していきます。


今日は犬のフィラリア症に関してお話しします。

「フィラリアって聞いた事はあるけれど、実はあまりよく知らない。」

そんな方も多いのではないでしょうか?

確かに、フィラリアってなんとなく蚊が関係している病気という事はわかっているけれど、このフィラリアという単語からだけではどこにどう悪いのかわからないですよね 

今回は犬のフィラリア症に関して詳しく説明し、フィラリ予防の重要性をお話しいたします

フィラリアって一体なんなのでしょうか?

フィラリアとは寄生虫の名前で、蚊が媒介して犬に感染する虫です。

フィラリア幼虫が最終的に成虫になるためには、一時的に蚊の体内に寄生し、そこである程度発育する事が条件となります。

このある程度発育したフィラリアの幼虫を持った蚊が、犬の血を吸う時に反対に犬の体にその幼虫を侵入させるのです。
(この時点ではまだフィラリアはとても小さく、肉眼では確認することができません。)
顕微鏡ではこんな感じに見えます。
IMG_8m837.jpg

このフィラリアの幼虫は犬の皮下や筋肉内でさらに成長し、約3ヶ月かけて犬の肺動脈へと移動します。

肺動脈は、心臓の右心室から肺へ血液を送り出す動脈であり、そこに寄生するため、のちに循環器障害を起こし、フィラリア大量寄生の犬では、肺動脈から心臓内へもフィラリアが寄生する事により、最終的に致死的な病態を引き起こします。

成虫のフィラリアはやや太めの白い糸のようで、肉眼でしっかりと確認することができます。もしかすると動物病院でホルマリン処理されたフィラリア成虫を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

フィラリアにかかってしまった犬ではどういった症状が出るのでしょうか?

フィラリアは犬と共存できてしまうので、少数寄生では犬はなんら症状を示さないため、飼い主様は日常生活では気がつくことが難しいです。

寄生数が多かったり、長い期間フィラリアが寄生することで、肺循環障害が起こり、以下のような様々な症状を示すようになります。

・疲れやすい
・乾いた咳をする
・腹水が溜まる
・血尿する
・呼吸が苦しい
など

フィラリアは犬同士の接触や、舐め合ったり、お皿をともに使う事で感染するわけではありません。

先ほども述べたように、フィラリアが幼虫から成虫になるためには一時的に蚊の体内で発育する事が条件となるので、実際にはフィラリアの幼虫が寄生した蚊に血を吸われる事でその犬はフィラリア症に感染する事になります。

しかしながら、そのフィラリア幼虫はどこで産生されるかというと、犬の体内です。

つまり、蚊に刺される事により、フィラリアの幼虫が犬の体内に入り、数ヶ月かけて肺動脈に到達したフィラリア幼虫は、さらに約3ヶ月かけて成虫となり、オスメス両者が寄生した場合にそこでフィラリアの赤ちゃんをたくさん産みます(ミクロフィラリア)

そして、血液中にフィラリア幼虫(ミクロフィラリア)をたくさん持った犬の血液を新たに蚊が吸う事により、フィラリア幼虫を持った蚊が存在することになります。その蚊が次々と他の犬に感染させていきます。

このように、フィラリアに感染している犬と、蚊が存在する事により犬のフィラリア症は成立するのです。

では、フィラリア予防していたら絶対にフィラリア症にならないのでしょうか。

フィラリア症予防のお薬は、虫の感染自体を予防するものではありません。

蚊によって体内に注入されたフィラリアの幼虫を心臓に移動する前に駆除するお薬です。

この期間が約2-3ヶ月なので確実に駆除するためには月に1回の投薬が必要となります。

地域によって予防期間は異なりますが、関東では平均5月から12月の頭までフィラリア予防期間とされています。

基本的には予防していれば防げる病気ではありますが、予防薬の飲ませ忘れ、つけ忘れ、投薬期間外での感染なども考えられるので、1年に1度は血液検査でフィラリアが犬の体内に感染していないか確認する必要があります。

血液検査では瞬時にフィラリアの成虫、フィラリアの幼虫寄生をチェックすることが可能です

現在、どんなフィラリア予防方法があるのでしょうか。

最大の予防は蚊に刺されない事ですが、それは現実的には難しいのと、目に見えて感染をすぐに確認することができないので、犬にとって安全なフィラリア予防薬を使用して犬からフィラリア症を守ってあげることがとても大切です。

現在使用できるフィラリア予防法は飼い主にとって非常に簡単です

実際には何種類かのフィラリア予防薬があります。

大きく分けて、
飲み薬タイプと背中につけるスポットタイプ、また注射タイプがあります。

病院で処方されるフィラリア予防薬はどのタイプであってもしっかりと予防できますので、病院でオススメのものを使用されてくださいね

もしフィラリアに感染してしまったら、その重症度によって治療法は異なります。

外科的にフィラリアの成虫を取り除くケース、注射でフィラリアの成虫を駆除するケース、薬で成虫や幼虫を駆除していくケースなど様々な方法がとられます。

何れにしても、生きているフィラリアをゼロにすることが必要です。

フィラリア症が軽度であれば大きな副作用もなく治療することが可能なこともありますが、当然、手遅れになり命を落とすこともあるので、フィラリアの予防はとても大切です。

フィラリア症は、犬が命を落とす可能性のあるとても怖い疾患です。

一方で、予防薬の開発と皆様の認識により、多くの犬たちがフィラリア症から守られています。

フィラリア症は飼い主が予防できる病気の1つですので、必ず予防してあげてくださいね。

しまペットCLINIC
shima.pet.clinic@gmail.com

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック